『ティーンズロード』の思い出を語る

岩井志麻子さん

岩井:特に女の子たちの変化は顕著です。家出してきた不良少女が歌舞伎町のディスコで遊ぶってことがなくなったかわりに、トー横にたむろする「トー横キッズ」とか、大久保公園で立ちんぼする「交縁女子」がある意味で歌舞伎町の“顔”になりましたね。ゴスロリ風の服を着て、おそろいのリュックサックみたいなかばんを持って。何なんじゃろうなぁ、あの子たちは……。それこそレディースたちとは違いますよね。

比嘉:居場所を求めて集まっているという意味では、似ているところもあるかもしれないけど、彼女たちってたむろってるとき以外は単独行動だし上下関係もないでしょ?

岩井:確かにレディースは先輩後輩の関係も厳しいし、売春禁止とかチーム独自のルールもいろいろありますよね。

比嘉:それから、いちばん大きな違いは「地元愛」のあるなしだと思う。子供っぽいと言われればそうだけど、彼らの最終目標は地元の中で勢力を拡大して名前を上げることですから。地名を入れるのは特攻服の刺しゅうでも定番ですし、地元を背負っているという意識が強いんですよね。

岩井:なるほどなぁ……。それで言うと、岡山を舞台にした小説を書き続けている私も『ティーンズロード』的なヤンキーマインドがあるのかもしれない(笑い)。どこか「錦を飾るまでは岡山に帰れんのじゃ!」という気持ちもありますから。

16才でいったん「族入り」してみては

比嘉:それは完全にヤンキーマインド(笑い)。おっしゃる通り、岩井さんといえば岡山弁のホラーですね。

岩井:いままた、明治時代の岡山が舞台の小説を書いているんですが、昨今のコンプライアンスの問題で使えない表現が多くて。たとえば「痴呆」や「ボケ」もダメ。

比嘉:ええ! そりゃあ厳しいですね。

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