ビジネス

中国人富裕層が集う「豊洲チャイナタワマン」に潜入 住民の2割が中国人でも“日本人は気づいていない”

「豊洲チャイナタワマン」の実態とは(写真:イメージマート)

「豊洲チャイナタワマン」の実態とは(写真:イメージマート)

 東京都江東区豊洲──その湾岸エリアにそびえ立つタワマンは若い日本人セレブ世帯の憧れ……だったはずが、異変が起きている。中国人富裕層に続々買い集められているのだ。ジャーナリストの西谷格氏がレポートする。

 * * *
「中国富豪が集まる豊洲タワマン 孫正義も住みたくなる!」
「毎日五ツ星ホテルで暮らせたら、どんなに素敵なことでしょう?」
「東京の美しい景色を心ゆくまで楽しめます」

 中国のSNS上には昨今、こんな謳い文句とともに豊洲の高級タワーマンションを紹介する動画が次々とアップされている。安さではなく、そのゴージャスぶりや環境の素晴らしさを強調しているのが特徴的だ。

 都内で中国人の集まるエリアというと、多国籍な新宿区やチャイナタウンを有する豊島区、物価や家賃が比較的安価な江戸川区などが真っ先に思い浮かぶ。だが、東京都が発表した2023年の外国人人口統計によると、23区内で中国人人口がもっとも多いのは、実は豊洲やベイエリアを有する江東区である。

 中国に詳しいジャーナリストの舛友雄大氏はこう解説する。

「夫婦とも大企業に勤めるエリートビジネスマンや会社経営者など、中国社会の成功者たちが豊洲をはじめとしたベイエリアのタワマンに住むケースが増えています。世帯収入は少なくとも1000万円以上あると見られ、平均的な日本人より明らかに余裕のある生活を送っています」

200人のグループチャット

 何が彼らを惹きつけるのか。豊洲のタワマンに住む中国人男性が言う。

「豊洲の街並みは中国とよく似ているのが良いんです。銀座までタクシーで10分程度と都心に出やすく、買い物もしやすい。街が新しいので活気がありますね」

 豊洲駅周辺を歩いてみると、目抜き通りは片側5車線と道幅が広く、都心のゴミゴミとした窮屈さは皆無。大ぶりな建物群や巨大ショッピングモール「ららぽーと豊洲」、街のあちこちに点在するシェアサイクルは、確かに中国の都市空間を彷彿とさせる。羽田空港まで直通バスで20分というアクセスの良さも、外国人には魅力的だろう。前出の中国人男性が続ける。

「うちのタワマンの中国人率は2割ぐらい。ウィーチャット(対話アプリ)のグループには中国人住民が200人ぐらい登録していて、新オープンのお店や美味しいご飯屋さんなどの情報交換をしています」

関連キーワード

関連記事

トピックス

全国でクマによる被害が相次いでいる(AFLO/時事通信フォト)
「“穴持たず”を見つけたら、ためらわずに撃て」猟師の間で言われている「冬眠しない熊」との対峙方法《戦前の日本で発生した恐怖のヒグマ事件》
NEWSポストセブン
韓国のガールズグループ「AFTERSCHOOL」の元メンバーで女優のNANA(Instagramより)
《ほっそりボディに浮き出た「腹筋」に再注目》韓国アイドル・NANA、自宅に侵入した強盗犯の男を“返り討ち”に…男が病院に搬送  
NEWSポストセブン
ラオスに到着された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月17日、撮影/横田紋子)
《初の外国公式訪問》愛子さま、母・雅子さまの“定番”デザインでラオスに到着 ペールブルーのセットアップに白の縁取りでメリハリのある上品な装い
NEWSポストセブン
ドジャース入団時、真美子さんのために“結んだ特別な契約”
《スイートルームで愛娘と…》なぜ真美子さんは夫人会メンバーと一緒に観戦しないの? 大谷翔平がドジャース入団時に結んでいた“特別な契約”
NEWSポストセブン
山上徹也被告の公判に妹が出廷
「お兄ちゃんが守ってやる」山上徹也被告が“信頼する妹”に送っていたメールの内容…兄妹間で共有していた“家庭への怒り”【妹は今日出廷】
NEWSポストセブン
靖国神社の春と秋の例大祭、8月15日の終戦の日にはほぼ欠かさず参拝してきた高市早苗・首相(時事通信フォト)
高市早苗・首相「靖国神社電撃参拝プラン」が浮上、“Xデー”は安倍元首相が12年前の在任中に参拝した12月26日か 外交的にも政治日程上も制約が少なくなるタイミング
週刊ポスト
相撲協会の公式カレンダー
《大相撲「番付崩壊時代のカレンダー」はつらいよ》2025年は1月に引退の照ノ富士が4月まで連続登場の“困った事態”に 来年は大の里・豊昇龍の2横綱体制で安泰か 表紙や売り場の置き位置にも変化が
NEWSポストセブン
三重県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年11月8日、撮影/JMPA)
《季節感あふれるアレンジ術》雅子さまの“秋の装い”、トレンドと歴史が組み合わさったブラウンコーデがすごい理由「スカーフ1枚で見違えるスタイル」【専門家が解説】
NEWSポストセブン
俳優の仲代達矢さん
【追悼】仲代達矢さんが明かしていた“最大のライバル”の存在 「人の10倍努力」して演劇に人生を捧げた名優の肉声
週刊ポスト
10月16日午前、40代の女性歌手が何者かに襲われた。”黒づくめ”の格好をした犯人は現在も逃走を続けている
《ポスターに謎の“バツ印”》「『キャー』と悲鳴が…」「現場にドバッと血のあと」ライブハウス開店待ちの女性シンガーを “黒づくめの男”が襲撃 状況証拠が示唆する犯行の計画性
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(右の写真はサンプルです)
「熊に喰い尽くされ、骨がむき出しに」「大声をあげても襲ってくる」ベテラン猟師をも襲うクマの“驚くべき高知能”《昭和・平成“人食い熊”事件から学ぶクマ対策》
NEWSポストセブン
オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト