次世代大型ロケット「スターシップ」(写真/AFP=時事)
在米ジャーナリストが言う。
「自動車では助手席にエアバッグの注意書きについてのステッカーを貼ることが定められていますが、マスク氏は無視した。車内に大型のタッチスクリーンを設置したことも前例のない試みで物議を醸しましたが、車内インテリアに革命を起こした。マスク氏が要件に従わずに強行突破したことで、業界内の無駄な規定を見直す機運が高まったケースは多々ある」
マスク氏は近い未来、地球資源が枯渇し、人類は他惑星に移住せざるをえなくなると確信している。電気自動車も宇宙事業も、その目的は「人類の意識を永続させる」という一点に集約される。
マスク氏の歩みを妨げる数々の規制をトランプ氏が政治レベルで改革すれば、米国の宇宙開発、ひいてはマスク氏の火星進出計画が一段階先に進むことになる。高濱氏が語る。
「ワシントンは“淀んだ池”と言われています。マスクが突っ走ってきた各分野とは別世界、旧態依然のしがらみ社会が広がっている。これを今後どう乗り越えていくのか、かつてない難度のミッションになるでしょう」
“最凶のふたり”が世界を変革させる日はくるか。
※週刊ポスト2023年10月6・13日号
