8か月後の2022年2月16日、久美さんの結婚相手が、久美さんとともに暴力を振るうなどしていたとして保護責任者遺棄致死容疑で逮捕され、2023年3月に懲役6年の実刑判決が言い渡された。久美さんも2022年3月に被疑者死亡のまま同容疑で書類送検されたが、不起訴処分になった。
奇しくも彼女が命を絶った日は、眞須美死刑囚の弁護人が和歌山地裁に申し立てていた再審請求が受理(2021年5月31日付)されていたことが報じられた日だった。
「久美さんは普通の人にはわからない葛藤やストレスを抱えていて、精神状態が長年、不安定だったのではないでしょうか。“死刑囚の娘”ということで、ずっと後ろ指をさされる人生でしたから……母親の無実を訴える活動にも10年ほど前から姿を見せなくなり、父親(林健治氏)とも近年は疎遠になっていたそうです。
家族の誰にも知らせずに改名していたことが、自殺後にわかりました。自分の生活と新しい家族を守るために、実家とのつながりを断ち切りたかったのかな」(林家の知人)
長女の自死直後、浩一さんが眞須美死刑囚に「(長女に)申し訳ないという気持ちはあるの?」と聞くと、「もちろん申し訳ない気持ちはある。でも私はやっていない。ずっと会いたかった」と悲しそうに答えたという。
浩一さんも子供の頃にいじめに遭い、成人してからは仕事を理由なく解雇されたり、結婚が破談になるなど、「死刑囚の子供」ということでつらい経験をしてきた。だが浩一さんは現実を受け止め、批判を覚悟してSNSを開設。眞須美死刑囚との面会の様子などを綴っている。現在、家族は別々の地で生活しているという。
「姉と妹とは電話やメールでやりとりしています。でも2人がどこでどんな暮らしをしているかは知りません。ぼくがメディアに出ているから、ぽろっと話されるのが怖いんだろうなと思います。彼女たちも定期的に母親と会っていて、手紙のやりとりもしています。バラバラになりかけた家族ですが、いまもつながっています」(浩一さん)
死刑囚として生きる彼女と、死刑囚の子供として生きるきょうだいたちには、どんな明日が待っているのだろうか。
※女性セブン2023年10月12・19日号