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『きのう何食べた?』のシロさんだけじゃない ドラマが描く性的マイノリティに「料理上手が多い」背景

(時事通信フォト)

ドラマで料理上手な役柄を演じる西島秀俊、比嘉愛未(時事通信フォト)

 西島秀俊と内野聖陽のダブル主演で人気のドラマ『きのう何食べた?』の第2シーズンが始まった。本作に限らず、近年は性的マイノリティを主人公にしたドラマが増えているが、ドラマオタクのエッセイスト・小林久乃氏は、それらの作品に「ある共通項」を見出したという。小林氏が綴る。

 * * *
 先日、ある女性ファッション誌から「お勧めのLGBTQドラマを教えて欲しい」と取材依頼があった。ふむふむと、これまで視聴したLGBTQ関連のドラマをリストアップしていくと、あることに気づいた。それは、近年放送された同性愛を描くドラマ作品において、カップルのどちらかが“料理上手”の傾向が高いということ。

 今まで何も気づかずに「家庭的でハートウォーミングな物語だ」と見ていたドラマ。でもカップルがほぼ自宅に篭って、二人きりで食事をしているシーンの、その向こう側には何かがあるようだ。これまで私が見た“パートナーが料理上手”なドラマの数々から、その理由を考えてみたい。

『きのう何食べた?』『つくたべ』に見えた共通項

 料理上手なパートナーが登場するドラマといえば、現在第2シーズンが放送中の『きのう何食べた?』(テレビ東京系列)だ。1か月の食費を2万5000円で維持しようと、“シロさん”こと筧史朗(西島秀俊)が腕をふるう。同棲中の“ケンジ”こと矢吹賢二(内野聖陽)と向かい合って、今日あったことを話しながら食事をともにする。栄養計算まで完璧なシロさんの料理。彼が不在のときにはここぞとばかりに、インスタントラーメンを食べるケンジが微笑ましい。

 続いて2024年初頭に続編が放送予定の『作りたい女と食べたい女』(NHK)は、野本ユキ(比嘉愛未)が料理好き。でも一人分を作っているだけでは、つまらない……と思っているところに出会ったのが、春日十々子(西野恵未)。同じマンションに住む二人が、互いの家を行き来しながら、料理を通して心を通わせた。

 レズビアンが登場するドラマでは、これまで性的なことを彷彿とさせる描写が散見されていた気がする。そうした定番の描き方を覆した“つくたべ”は優しかった。同じく『きのう何食べた?』も、いわゆる“LGBTQ作品”としてではなく、ふつうの恋愛ドラマとして作られ、視聴者に受け入れられているように感じる。

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