『太陽にほえろ!』で萩原健一が降板すると急遽松田の出演が決まった

『太陽にほえろ!』で萩原健一が降板すると急遽松田優作の出演が決まった

『俺たちの祭』(1977年)

 夢を追い求める若者たちの挫折と葛藤を描いた青春群像劇。漫画家志望の森田正道(角野卓造)、ギター流しの花井三四郎(小島三児)らとともに、故郷の久米島から役者を目指して上京した今城隆之(中村)。劇団「新樹」に研究生として入団し、夢に向かって芝居の勉強を始める。

 劇団の事務員である北見直子(檀ふみ)に想いを募らせる一方、研究生仲間の沢矢津子(堀美奈子)や倉橋一郎(光田昌弘)らと稽古を重ねる隆之だったが、ある日、久米島に残してきた母親(岩崎加根子)が自殺したとの知らせが届く……。

「『俺たちの旅』が大成功した後の作品で、『俺たち』シリーズの第3弾でした。青春を前面に押し出していったそれまでの作品から、今度は大人向けの『俺たちの旅』をやろうと企画されたものです。役者を志す研究生の話ですが、内容が暗かった。ベテランの劇団員に振り回されたり、母親が自殺したり。いわゆる青春ドラマを期待していた視聴者には肩透かしだったかもしれません」〈中村雅俊〉

「ドラマは暗い内容でしたが、雅俊さんは『みんなで楽しくやろう』という明るい人柄でしたから、ピリピリと張り詰めるような現場ではなく、大学生活の延長のような雰囲気でした。忘れられないのは、久米島で撮影した夜明けのシーンです。流れ星が次から次へ流れるような幻想的な星空が広がっていました。あの夜空は今でも忘れられません」〈壇ふみ〉

『青春ド真中!』(1978年)

 産休補助教員として修学院高校に赴任してきた中原俊介(中村)。女好きで熱血漢という教師の型にはまらない性格で、生徒からは「バクダン」と呼ばれている。

 数学教師でボーヤというあだ名の小森昭治(神田正輝)は、自由奔放な言動でいつも周囲をかき回すバクダンに翻弄される毎日。学園ものにつきもののスポーツ要素はなく、主軸は日常の出来事。ハチャメチャな教師に対して、品行方正な生徒という対比で、生徒より先生の青春が描かれる。野球ナイターの裏番組というハンデがありながら、15%の高視聴率を記録した。

「『青春ド真中!』は王道中の王道の学園ドラマです。俺は女好きの熱血漢だし、気の弱そうなお坊ちゃん先生を神田正輝さんが演じて、生徒たちとぶつかり合う。そこにマドンナ先生のあべ静江さんがいて。もう、明るくパーッとやろうという雰囲気が受けたのか、『俺たちの祭』の倍近くまで視聴率が上がって(笑)。この作品の設定は、次の『ゆうひが丘の総理大臣』に引き継がれていきました」〈中村雅俊〉

「学園のマドンナ先生である田坂萌子を演じました。撮影時は楽しかった思い出しかありません。中村さんも私も、落とし穴に落ちるといういたずらに遭うシーンがあるんです。その時に監督に言われたのが、『女性の方が潔い』。私の落ち方は堂々としたものでしたが、中村さんはちょっと身構えていたように見えたんですって(笑)。いつかあのメンバーで同窓会を開いて、思い出話がしたいですね」〈あべ静江〉

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