今回の撮影に参加できなかったが、映画に出演したもう1人のダンサーのソフィア・シェイコ(20)さんはハリコフ出身で、戦火で家が全焼したという。2人とは半年遅れて日本に避難してきた。
現在彼女たちは、本作に出演する世界的ダンサーの針山愛美さんが暮らす淡路島に身を寄せている。
「日本に呼んだ以上、彼女たちが踊れる場を作り精一杯活動していきたい。現在は淡路島の旧アソンブレホールを拠点にパフォーマンスをしています。彼女たちはお寺やストリートでも踊るなど、何にでも意欲的にチャレンジしています」(針山さん)
彼女たちは劇場でなくても、どのような場所でも舞い踊る。この映画への出演のオファーも即答だったという。
故郷から離れることを余儀なくされた3名の妖精が舞い踊る姿からは、平和への願いが伝わってくる。
■『道 パッサカリア』監督・脚本・原作:伴田良輔
水底に沈んだ失われた風景をめぐる伴田氏独自のマジックリアリズム作品。12月2日から東京で始まる映画上映の予約/問い合わせは「パッサカリア」制作室まで
【URL】https://www.ryosukehanda.com/
■伴田氏撮影による写真展「PASSACAGLIA」がギャラリーウエストヒルズ(千葉)で開催予定
【会期】11月23日~12月27日
撮影/伴田良輔
※週刊ポスト2023年12月1日号