角栄の政治には、確かに金が付きまとった。数々の政策、派閥作り、その全てに莫大な金を必要とした。金脈問題で総理の座を追われたのは必然だったのかもしれない。
「だが、その目的は最後まで政治のためだった。いま問題となっている安倍派の裏金のように、私利私欲のためではなかった。平成、令和の政界は角栄の負の側面だけが受け継がれ、肝心の理念は置き去りにされた」(ベテラン議員秘書)
時代の曲がり角に登場し、政治に風穴を開けた角栄がもし今の政界にいたら、少子高齢化、国民負担の増大、中東危機やウクライナ戦争による資源価格高騰などの課題にどう立ち向かい、どのように日本社会を元気にするのだろうか。
※週刊ポスト2023年12月22日号