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急速に変わった“ダート競馬に対する意識” 重要度が高まり“最初からダート”への抵抗感なくなる、距離も細分化されるか

「ダート競馬に対する意識はここ数年急速に変わってきた」と蛯名正義はいう

「ダート競馬に対する意識はここ数年急速に変わってきた」と蛯名正義はいう

 1987年の騎手デビューから34年間にわたり国内外で活躍した名手・蛯名正義氏は、2022年3月から調教師として活動中だ。蛯名氏の週刊ポスト連載『エビショー厩舎』から、古馬ダート路線についてお届けする。

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 早いもので、つい先日年が明けたと思ったら、もう2月の東京開催も半ば。最終日には今年初めてのGIフェブラリーステークスが行なわれます。月の英語名がついたレースは毎月のようにありますが、GIはこのレースだけ。1999年には岩手県競馬所属のメイセイオペラが地方馬として唯一中央のGIを勝ったレースとして知られています。

 JRAのGIで最も多いのが1600mのマイル戦ですが、ダートのマイル戦というのは東京競馬場しか設定がありません。しかもスタートから150mぐらい芝コースを走るし、芝コースの部分が少し長い外枠のほうが有利ともいわれる独特のコースです。

 僕は地方交流の帝王賞や東京大賞典を勝たせてもらっているのにJRAのダートGIには縁がありませんでしたが、22歳の時に初めて重賞を勝ったのがこのレースの前身であるGIII時代のフェブラリーハンデです。

 この時10番人気で勝ってくれたラシアンゴールドには前年11月に900万下(いまの2勝クラス)のレースで初めて乗って勝ち、12月に格上挑戦でGIIIウインターステークスでも3着で、重賞でもやれる手ごたえがありました。少し長い距離を使っていたので距離短縮だけが課題でしたが、直線の長い東京競馬場だったので適応できたのだと思います。

 ラシアンゴールドとはこの年、当時まだ中央競馬招待競走と呼ばれていた帝王賞に出走、横山典弘騎手のナリタハヤブサと1着同着でした。

 今年は3歳馬のダート三冠路線が始まった初年度ということで注目されていますが、古馬のダート路線は、すでにさまざまな選択肢があります。この時期は昨年パンサラッサが勝った1着賞金約14億円というサウジアラビアのサウジカップや、3月にはやはりウシュバテソーロが勝ったドバイワールドカップがあり、日本のトップクラスのダート馬が、すべて顔を合わせるというわけではありません。それでも、ここでの勝ち馬は、その年のダート戦線の主流の一頭になることは間違いないところです。

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