ドアの前には「お〜いお茶」の段ボールが

出廷前、ドアの前には「お〜いお茶」の段ボールが…

 水原はこの頃すでに、野球に関係する仕事を意識していたとみられる。しかし、まったく異なる業界での日々にもどかしさを感じていたのではないか。日本人相手なら英語力は武器になるが、米社会においてはそれが前提での競争だ。そこに特殊能力やスキルといった付加価値がなければ、職探しは難航するだろう。

 高校卒業後の「空白の10年」は、水原にとって紆余曲折の連続だったと言える。その浮かない姿を側で見守っていたのが、松木だった。

「一平ちゃんはドジャースに移籍して来た野茂英雄投手の姿を見て、野球の仕事がしたいと言い始めた。イチロー選手が決勝打を放った2009年のWBC、そして2010年当時エンゼルスに所属していた松井秀喜選手は、2人で一緒に観戦しました。一平ちゃんの野球を見る目は、ギラギラしていた」

 その野心が実り、日本酒販売会社を退社し、2012年に当時入団予定だった岡島秀樹の通訳としてヤンキースに雇われることになる。岡島の入団が取り消される不運もあり即解雇となったが、まもなく日本ハムの専属通訳として働くことが決まった。生まれ故郷の北海道で、後に二人三脚を組む大谷選手と対面する。

「お父さんは、大谷選手と出会った一平ちゃんを『幸運の持ち主だ』と言っていました」(松木)

 だがその幸運には、ギャンブルで見放された。

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