──肩に力を入れて、両方のお仕事を頑張らなくては!と思っているわけではないんですね。

はい! 全然、何も背負ってません……くらいの感覚です(笑い)。実際、やりたいことをやらせていただいているので。

──役者のお仕事とアーティストのお仕事の両立はさぞ大変ではと思っていましたが、軽やかな気持ちで取り組まれていると知って安心しました(笑い)。

ファンの皆さんが想像されている以上に、ぼくは何かを背負っているつもりなんてまったくないので(笑い)。心配しないで、安心してほしいですね!

──その言葉で、ファンの皆さんも安心されると思います。

ただただ、“楽しんでいるよ!”ということが伝わるといいな……と思います。

──ハク役はオーディションで射止められたそうですが、オーディションではどんなことをされましたか……?

オーディションの1週間くらい前に、ハクが龍になるシーンのダンスをフリーで考えてきてほしいと言われていました。劇中に流れる1分くらいの音に合わせた動きを自分で考えていったんですけど……。当日は振り付け師の方がいて、その場で振りを覚えることになったんです。

──オーディションらしいサプライズですね。

はい。そこで、(演出の)ジョン・ケア―ドさんに「ダンス&ボーカルグループにいるんだって?手の動きがちょっとアイドルみたいだから、もっと川を感じてほしい」と言われたんです。

──普段、踊られているダンスとも表現方法が異なるでしょうし……。川を感じる表現というのは、なかなか難しそうですね。

そうなんです。もっと川を感じるって、どうしたらいいんだろう……というところから始まった感じでした。ほかにも審査がいくつかあって、千尋役で受けている方と2人でおにぎりのシーンを演じたり……。ちょっと恥ずかしかったのは、審査をする方が手をパンっとたたいたら、その音をきっかけに慌てたり楽しそうにする……という審査ですね。

──スキットのような審査もあったんですね。

千尋役で受けている方がリアクションをしている姿は可愛く見えたんですけど、ぼくの動き方はこれでいいのかなって不安でした。でも、オーディションというよりは、稽古みたいな感じがしていました。

──さまざまな審査を経て、終わった後の感触はいかがでしたか?

実は受かったんじゃないかな……という気がして、結果が待ち遠しかったんです。本当に稽古みたいな感じだったので、ジョンさんがぼくを見て下さっていた雰囲気で、もしかしたらぼくの未来に期待してくださっているんじゃないかな……と思っちゃったんですよね(笑い)。合格できて良かったです!

(PART2に続く)

◇舞台『千と千尋の神隠し』公演情報
東京・帝国劇場で幕を開け、愛知・御園座公演を経て、現在は福岡・博多座で公演中(5月19日まで)。大阪・梅田芸術劇場メインホール、北海道・札幌文化芸術劇場hitaruへと公演が続く。また、日本での上演と並行して、演劇の聖地イギリス・ロンドンコロシアム劇場でも4月30日から8月24日までロングラン公演を実施。

撮影/黒石あみ

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