レオカーナの治療イメージ
また副次的効果としては炎症性サイトカインが除去されること。除去されると血管の炎症が減り、血管拡張作用があるNO(一酸化窒素)の産生促進によって、末梢血管の血流を改善させるなどの効果も期待できるという。
「レオカーナの治療時間は1回につき、平均で2時間程度です。3か月で24回分の治療が保険適用になっていますが、治療4回目くらいから脚の痛みが軽減してきた患者さんもいらっしゃいます。治療対象は血管再建でも症状が改善されない患者さんですが、体重が40kg未満の場合は血圧の低下のリスクが高いとのことで、治療の対象外になっています」(田中教授)
下肢の虚血は自覚しにくい。それでも下肢の冷感、間欠性跛行、皮膚の色調変化などがあると気づいたら、なるべく早く循環器内科や専門外来に足を運んだほうがよい。
取材・構成/岩城レイ子
※週刊ポスト2024年5月31日号
田中里佳/順天堂大学医学部附属順天堂医院・足の疾患センター教授

