芸能

春ドラマ4作品が「記憶障害」かぶり 支持を得た作品と失った作品、その違いとは?

『くるり』(公式HPより)

記憶障害の設定のドラマの中でも評価の高い『くるり』(公式HPより)

 ドラマで特定の設定が「かぶる」ことは少なくないが、それが放送中の4作品となると珍しいのではないか。春ドラマ4作品で「記憶障害」という設定がかぶっているのだ。支持を得た作品と失った作品とは? コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。

 * * *
 春ドラマがいよいよ最終話ウィークに突入し、ネット上に関連記事が増えているほか、SNSにはあらためて賛否の声があがりはじめています。

 今春のドラマで最大の話題は、「記憶障害という設定がかぶったこと」でした。

 ゴールデン・プライム帯の作品では、『366日』(フジテレビ系)、『アンメット ある脳外科医の日記』(カンテレ制作・フジテレビ系)、『くるり~誰が私と恋をした~』(TBS系)、『9ボーダー』(TBS系)の4作。さらに深夜帯でも『約束 ~16年目の真実~』(読売テレビ制作・日本テレビ系)で記憶障害が扱われました。

 けっきょく、最も効果的に設定を生かし、視聴者の支持を得られたのはどの作品なのでしょうか。

後発『366日』と定番『9ボーダー』

 最も苦しかったのが『366日』。第1話で主人公・雪平明日香(広瀬アリス)と結ばれたばかりの水野遥斗(眞栄田郷敦)が事故で意識不明になってしまい、第5話でようやく目を覚ましたが記憶障害が発覚する……という重い展開の連続に「見ていられない」などのネガティブな声が目立ちました。

 終盤では記憶障害でのすれ違いを理由に2人が別れたほか、最終話目前で遥斗が「記憶が戻っている」という素振りを見せましたが、ネット上の反応は微妙。視聴者が「最後まで記憶障害という設定に感情移入できない」というムードのまま最終話を迎えることになりつつあります。

 その背景にあるのが、記憶障害の発覚が“後発”だったこと。ゴールデン・プライム帯の残り3作は第1話の段階で記憶障害を前面に押し出していたため、『366日』は“後発”とみなされ、「これもか」「今さら」などの印象を与えてしまった感があったのです。

 次に『9ボーダー』の設定は、主人公・大庭七苗(川口春奈)が記憶を失いバルで働くコウタロウ(松下洸平)と恋に落ちるというもの。着実に距離を縮めていたものの、第8話でコウタロウの正体が発覚し、婚約者と家族経営する会社の存在が明らかになり、2人の関係に危機が訪れました。

ラーメンを楽しんだ様子の若葉竜也と杉咲花

ラーメンを楽しんだ様子の若葉竜也と杉咲花

『366日』

ネガティブな声が多い『366日』(公式HPより)

関連記事

トピックス

今季から選手活動を休止することを発表したカーリング女子の本橋麻里(Xより)
《日本が変わってきてますね》ロコ・ソラーレ本橋麻里氏がSNSで参院選投票を促す理由 講演する機会が増えて…支持政党を「推し」と呼ぶ若者にも見解
NEWSポストセブン
白石隆浩死刑囚
《女性を家に連れ込むのが得意》座間9人殺害・白石死刑囚が明かしていた「金を奪って強引な性行為をしてから殺害」のスリル…あまりにも身勝手な主張【死刑執行】
NEWSポストセブン
失言後に記者会見を開いた自民党の鶴保庸介氏(時事通信フォト)
「運のいいことに…」「卒業証書チラ見せ」…失言や騒動で謝罪した政治家たちの実例に学ぶ“やっちゃいけない謝り方”
NEWSポストセブン
球種構成に明らかな変化が(時事通信フォト)
大谷翔平の前半戦の投球「直球が6割超」で見えた“最強の進化”、しかしメジャーでは“フォーシームが決め球”の選手はおらず、組み立てを試行錯誤している段階か
週刊ポスト
参議院選挙に向けてある動きが起こっている(時事通信フォト)
《“参政党ブーム”で割れる歌舞伎町》「俺は彼らに賭けますよ」(ホスト)vs.「トー横の希望と参政党は真逆の存在」(トー横キッズ)取材で見えた若者のリアルな政治意識とは
NEWSポストセブン
ベビーシッターに加えてチャイルドマインダーの資格も取得(横澤夏子公式インスタグラムより)
芸人・横澤夏子の「婚活」で学んだ“ママの人間関係構築術”「スーパー&パークを話のタネに」「LINE IDは減るもんじゃない」
NEWSポストセブン
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン