広く普及している防犯ブザー(時事通信)
「狼少年」になっている防犯ブザー
「怖いと思ったときには防犯ブザーを鳴らしなさい」
これも相変わらず多い間違いです。2013(平成25年)年の調査では全国の82%の小学校で、防犯ブザーを子どもに配布しています。
しかし、子どもが防犯ブザーを本当に鳴らせるかどうか、冷静に考えてみることです。
子どもが勇気を出して防犯ブザーを鳴らそうとしても、故障や電池切れで鳴らないことは十分考えられます。国民生活センターが実施した調査では、防犯ブザーの故障の苦情を受けていた地方自治体は8割にも達しました。
機械的なトラブルがなく防犯ブザーを鳴らせたとしても、警報音の聞こえる範囲に大人がいない可能性もありますし、その警報音を子どもの防犯ブザーと認識できないかもしれません。
防犯ブザーは、子どもが面白がって鳴らしてしまうので、仮に鳴っていたとしても大人は「ああ、また鳴っているな」と思いますから、誰も出てこない場合も多いでしょう。防犯ブザーが「狼少年」になってしまっているわけです。
また、犯罪者に無理やり連れ去られそうになったときに防犯ブザーを鳴らした場合は、犯罪者を刺激することになります。場合によっては、パニックになった犯罪者が子どもに危害を加えないとも限りません。