12年前の「ツタンカーメン展」をご覧になった天皇陛下(時事通信フォト)
事務局長補佐は「執行猶予中」
大型のイベント事業では、会場を借りるうえで大手マスコミの信用は大きく、過去2回の「ツタンカーメン展」も朝日新聞やフジテレビが主催となっていた。
TBSの翻意に途方に暮れたB氏らは金策に奔走。その過程で、B氏が出会ったのがC氏だった。
「Cさんは、1年ほど前から《組織委員会事務局長補佐》の名刺を持ち、プロジェクトの口座や印鑑を管理するようになりました。独自の人脈で出資者を募る一方で、組織委員会は議事録もなく、どんな計画で展覧会を開催するのかも不透明。
出資金の金銭管理もBさんやCさんが自由に差配しているようで、すでに一部が使途不明金になっているのではないかという話もあります。BさんやCさんは、彬子さまが名誉総裁に就任してくれることで、大企業からの協賛金も集めやすいと考えているようで、協賛を募る企画書にはすでに彬子さまのお名前が記されています」(前出・企画団体関係者)
今年2月にはエジプト政府の要人を招き、ホテルで大々的に記者発表も行っている。
「来日したのは、エジプトの次期首相とも噂される大物で、展覧会の企画に感謝し、日本との経済協力にも言及していました。組織委員会としては、彬子さまだけでなく、今度の自民党総裁選への出馬が取り沙汰されている大物政治家を顧問に迎える準備もあるそうです」(前出・別の企画団体関係者)
しかし、C氏の手腕に疑問を持つ前出の企画団体関係者が言う。
「もともとは、女子高生ビジネスでベンチャー経営者として頭角を現したという触れ込みでしたが、実は数年前に不正な株取引などによる金融商品取引法違反で逮捕され、現在は執行猶予中の身だったのです。
彬子さまが名誉総裁となり、エジプトの至宝がやってくる国家規模の展覧会の金銭管理や資金集めにCさんが関与するのはいかがなものかという声があがっています」
彬子さまの祖父・三笠宮崇仁さまは、中近東の文化研究に思い入れが深く、出光興産の創業者の協力を得て、中近東文化センターの設立に尽力。その志を継ぐ彬子さまが、名誉総裁に就任するのは自然な流れだったが、100億円イベントに群がる不可解な人脈に、三笠宮家の名前が利用されてしまわないか、周囲の心配は募るばかりだ。
はたして、当事者たちはどのように答えるのか。
A氏やB氏の自宅を訪ね、携帯電話を何度も鳴らしたが、取材に応じることはなかった。NPO法人の理事長も「何も答えないことにしている」と繰り返すのみ。
宮内庁に彬子さまの名誉総裁就任や経済事件で執行猶予中の人物の関与について見解を尋ねたが、回答はなかった。
幾度の盗掘危機を逃れ、現代によみがえったツタンカーメンの副葬品の数々。3000年以上の時を超えた現代で繰り広げられる騒動に、ファラオも王家の谷で泣いている。
※女性セブン2024年9月12日号