国内

一筋縄ではいかない愛子さまの結婚問題 お相手候補に旧宮家の男系男子を推す声がある一方、天皇陛下が望まれるのは“自然に惹かれ合った形で”

新年一般参賀では、午前と午後合わせて5回、宮殿のベランダに立たれた(2025年1月、東京・千代田区。撮影/黒石あみ)

新年一般参賀では、午前と午後合わせて5回、宮殿のベランダに立たれた(2025年1月、東京・千代田区。撮影/黒石あみ)

 かつてないほどに女性皇族の結婚が一筋縄ではいかなくなっている。皇族の人数がこれほどまで減少したなかでの愛子さまの“お相手選び”には、さまざまな思惑が絡み合う。父である天皇陛下が願うのは、ただ愛娘の幸せのみ──。

 都心にあって、都会の喧騒が届かない静謐な皇居。天皇ご一家が暮らす御所の談話室にバタバタと撮影機材が運び込まれ、似つかわしくない騒々しさが広がったのは、年の瀬も迫った昨年12月29日の夜9時のことだった。世間では仕事納めも終えていたその日、ご一家の新年の写真撮影が行われた。

「当初は12月23日に撮影が予定されていましたが、愛子さまがインフルエンザに罹患されたため、急きょ延期となりました。とはいえ新年のお写真ですから、元日までにメディアに配布しなければならず、滑り込みのスケジュールで29日の夜に撮影が行われたそうです」(宮内庁関係者)

 愛子さまは感染以来、勤務先である日本赤十字社(日赤)への出勤は新年まで見送られ、お住まいで安静に過ごされていたという。大学卒業後の昨年4月に日赤の常勤嘱託職員として働き始めた愛子さまは、青少年・ボランティア課に勤務されている。

「ボランティアの育成や普及、研修などを行うほか、ボランティアのための情報誌『RCV』の編集にも携わられています。例年、情報誌の発行は2~3月ですから、編集作業は大詰めを迎えているようです」(日赤関係者)

 社会人として仕事に励まれる一方で、皇族としての務めにも余念はない。新年を迎えた1月1日、午前中にティアラとローブ・デコルテの正装で新年祝賀の儀に臨まれ、午後には仙洞御所に出向いて上皇ご夫妻へ挨拶をされた。翌2日には、ライトグリーンのドレス姿で新年一般参賀に参加された。皇居・宮殿のベランダで、ガラス越しに冬の陽光を受けながら、愛子さまはにこやかな笑みで手を振られていた。

「昨年は能登半島地震の影響で中止になったため、愛子さまにとっては2023年以来2度目の新年一般参賀でした。隣に立たれた秋篠宮さまと言葉を交わされるなど、緊張される様子はなく、穏やかな表情で集まった人々に笑顔を見せられていました」(皇室記者)

 コロナ禍を経て、事前抽選なしで行われた新年一般参賀には合計で6万人以上が集まった。ご活躍目覚ましい一方で、愛子さまを取り巻く議論が、遅々として進まない状況がある。

皇室としての活動が立ち行かなくなる

 昨年12月26日、天皇陛下は石破茂首相ら閣僚を招いた昼食会を開催された。

「日夜、国務に精励されていることを誠にご苦労に思います。いろいろと大変なこともあるかと思いますが、くれぐれもお体に気をつけてお過ごしください」

 そう労われた陛下のお言葉に、石破氏は身が引き締まる思いだったという。

「石破内閣の課題の1つに、長く結論が出ないままの皇室制度改革があります。2022年、安定的な皇位継承のあり方をめぐって、政府の有識者会議の報告書が衆参両院の議長に提出されました。女性皇族が結婚後も皇族の身分を保持する案などが提起されましたが、いまだに結論は出ていません。

 石破氏は以前から皇室の諸課題解決に向けた積極的な発言をしてきましたが、昨年10月の首相就任以降、政権運営に時間を取られている印象です」(全国紙政治部記者)

 皇室の先細りは、かねて大きな問題だった。今後、愛子さまがさらに公務の数を増やされ、今春成年式を控える悠仁さまが、その後本格的に公務を行われるようになっても、“担い手不足”は否めない。

「現在、数多くの公務を担われている佳子さまは、昨年12月に30才の誕生日を迎えられました。姉である眞子さんが、小室圭さんと結婚して皇籍を離脱した年齢に並ばれたのです。愛子さまも、昨年の誕生日で23才になられました。現行制度のもと、お2人が結婚され皇室を離れられれば、皇室としての活動が立ち行かなくなることになります」(別の皇室記者)

 そこで必要になったのが、皇族数を確保するための議論だった。前出の有識者会議の報告書には、次の2つの案が盛り込まれた。

●女性皇族が結婚後も皇室に残る

●旧宮家の男系男子が養子として皇族に復帰する

「男系男子」とは、父方から天皇の血を引く男子のことだ。愛子さまは「男系女子」であり、仮に愛子さまが男子を出産されれば「女系男子」ということになる。だが、どちらの案も実現に向けたハードルは高い。

「女性皇族が結婚後も皇室に残った場合、夫や子供の身分はどうなるのか、生活費などの扱いはどうするのかといった課題をクリアにしなければなりません」(前出・別の皇室記者)

 一方、旧皇族の男系男子を養子に迎える案も、長らく一般国民として暮らしてきた当事者に対し、「これからは皇族として生きてください」といきなり生活様式を変えさせるのは、容易なことではない。

「はるか以前から、そうした問題が表面化することは目に見えていた。にもかかわらず議論を尽くさず、結論も出さなかったのは、政治の怠慢でしかありません。政治側の事情によって、愛子さまや佳子さまが結婚に二の足を踏まれたり、ましてお相手選びに影響するのはあってはならないことですが、現実には影響が出てしまっています」(前出・別の皇室記者)

関連記事

トピックス

田村瑠奈被告(中央)
《父・修被告よりわずかに軽い判決》母・浩子被告が浮かべていた“アルカイックスマイル”…札幌地裁は「執行猶予が妥当」【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
田中圭
《田中圭が永野芽郁を招き入れた“別宅”》奥さんや子どもに迷惑かけられない…深酒後は元タレント妻に配慮して自宅回避の“家庭事情”
NEWSポストセブン
ラッパーとして活動する時期も(YouTubeより。現在は削除済み)
《川崎ストーカー死体遺棄事件》警察の対応に高まる批判 Googleマップに「臨港クズ警察署」、署の前で抗議の声があがり、機動隊が待機する事態に
NEWSポストセブン
ニセコアンヌプリは世界的なスキー場のある山としても知られている(時事通信フォト)
《じわじわ広がる中国バブル崩壊》建設費用踏み倒し、訪日観光客大量キャンセルに「泣くしかない」人たち「日本の話なんかどうでもいいと言われて唖然とした」
NEWSポストセブン
北海道札幌市にある建設会社「花井組」SNSでは社長が従業員に暴力を振るう動画が拡散されている(HPより、現在は削除済み)
《暴力動画拡散の花井組》 上半身裸で入れ墨を見せつけ、アウトロー漫画のLINEスタンプ…元従業員が明かした「ヤクザに強烈な憧れがある」 加害社長の素顔
NEWSポストセブン
筑波大学の入学式に出席された悠仁さま(撮影/JMPA)
悠仁さま入学から1か月、筑波大学で起こった変化 「棟に入るには学生証の提示」、出入りする関係業者にも「名札の装着、華美な服装は避けるよう指示」との証言
週刊ポスト
藤井聡太名人(時事通信フォト)
藤井聡太七冠が名人戦第2局で「AI評価値99%」から詰み筋ではない“守りの一手”を指した理由とは
NEWSポストセブン
趣里と父親である水谷豊
《趣里が結婚発表へ》父の水谷豊は“一切干渉しない”スタンス、愛情溢れる娘と設立した「新会社」の存在
NEWSポストセブン
米利休氏のTikTok「保証年収15万円」
東大卒でも〈年収15万円〉…廃業寸前ギリギリ米農家のリアルとは《寄せられた「月収ではなくて?」「もっとマシなウソをつけ」の声に反論》
NEWSポストセブン
SNS上で「ドバイ案件」が大騒動になっている(時事通信フォト)
《ドバイ“ヤギ案件”騒動の背景》美女や関係者が証言する「砂漠のテントで女性10人と性的パーティー」「5万米ドルで歯を抜かれたり、殴られたり」
NEWSポストセブン
“赤西軍団”と呼ばれる同年代グループ(2024年10月撮影)
《赤西仁と広瀬アリスの交際》2人を結びつけた“軍団”の結束「飲み友の山田孝之、松本潤が共通の知人」出会って3か月でペアリングの意気投合ぶり
NEWSポストセブン
田村容疑者のSNSのカバー画像
《目玉が入ったビンへの言葉がカギに》田村瑠奈の母・浩子被告、眼球見せられ「すごいね。」に有罪判決、裁判長が諭した“母親としての在り方”【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン