岡本和真
FA加入・甲斐の居場所は?
さらに飽和状態なのが、扇の要である捕手だ。FAでホークスから獲得した甲斐拓也(32)に加えて、岸田行倫(28)、小林誠司(35)、大城卓三(31)、若手の山瀬慎之助(23)らが鎬を削る。阿部監督は「理想は甲斐を固定」と三顧の礼で迎えるが、V9時代にエースのジョーと呼ばれた城之内邦雄氏はこう語る。
「甲斐がコーチ役として岸田や大城にリードや捕球、ブロックなどの技術を教えるならチーム力は向上するが、甲斐がメインで試合に出ると岸田や大城の成長が止まります。特にせっかく育ってきた岸田は試合経験を積むことが大事なので、甲斐と岸田の2人体制にするなど育成にも力を入れるべきではないか」
小林は昨季、菅野智之(35)との「スガコバ」コンビで最優秀バッテリー賞を獲得したが、「菅野のメジャー移籍で、使いどころが難しい」(前出のスポーツ紙デスク)と出番が激減しそうだ。
各ポジションが満席状況の一方、ポッカリと抜け落ちたのが投手陣。1995年にヤクルトからFAで巨人に移籍した広澤克実氏はこう言う。
「本来、巨人が補強すべきは先発でした。にもかかわらず中日から守護神のマルティネス(28)を獲得。大勢(25)とバッティングしている。これではモチベーションは上がらないし、補強にビジョンが見えない」
今オフ、巨人は投手陣の目玉として楽天を退団した田中将大(36)を獲得したが指揮官の期待度は決して高くないようだ。
スポーツ報知の新年インタビューで、阿部監督は田中について〈先発ローテーションの6番目くらいに入って1年間、ローテーションで回ってほしい〉としている。
「昨季15勝でリーグMVPの菅野の代わりどころか先発6番手と評価が低く、赤星優志(25)、高橋礼(29)、横川凱(24)らと先発ローテの当落線上で争うことになり、ローテから漏れる可能性も十分にある。春季キャンプでは調整が本人に一任される『S班』に入ったが、どこまで早めの調整を進められるか次第です」(前出・スポーツ紙デスク)
