でも、正面から「歌詞に違和感が」なんて言えない。みんな大好きだったから。

 逆にこっちは社会主義の、遅れた中国で4年間暮らし、文明社会へ復帰するためのリハビリも終わっていない身だ。音楽に詳しいわけでもない。「オシャレ」とか「小ぎれい」とほめられたこともない。

「すっごくいい曲だよねー」って同意を求められたら、とりあえず逆らわない。

 パクス・ブリタニカの大英帝国に正面から挑んでも勝ち目はない。だからこそ非暴力・不服従なのだ。植民地時代のインドと現代のドラファンが共有している知恵だ。

(第3回に続く)

※『人生で残酷なことはドラゴンズに教えられた』より一部抜粋

【プロフィール】
富坂聰(とみさか・さとし)/1964年、愛知県生まれ。拓殖大学海外事情研究所教授、ジャーナリスト。北京大学中文系中退。1994年、『龍の伝人たち』で21世紀国際ノンフィクション大賞・優秀賞を受賞。『中国の地下経済』『中国の論点』『トランプVS習近平』など、中国問題に関する著作多数。物心ついた頃から家族の影響で中日ファンに。還暦を迎え、ドラゴンズに眠る“いじられキャラ”としての潜在的ポテンシャルを伝えるという使命に目覚めた。

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