夕霧さんをポジティブに変えたのはロリィタファッションだった
──そうした時期を経て、現在は大好きな服を着て海外旅行を楽しめるようになった夕霧さん。ロリィタファッションを着るようになったキッカケはなんだったのでしょうか。
「ネットで偶然見かけた、私と同じアトピーを持った海外の“ボディポジティブモデル”の写真でした。ボディポジティブとは、『自分の体をありのままに愛そう』という欧米を中心に始まったムーブメントなのですが、自分の肌を恥じることなく笑顔で好きな服をまとう姿に涙が出るほど励まされ、『私の肌も恥ずかしくない。むしろこの皮膚は、私を生かしてくれているんだ』と肯定できるようになりました。
それからSNSには、年齢や体型に捉われず、自由にロリィタファッションを楽しんでいる人たちがたくさんいた。その光景に背中を押され、私も着てみたいと思ったんです」
──初めてロリィタファッションに袖を通した時の気持ちはいかがでしたか。
「これまで『汚い』『他の人に申し訳ない』と思い込んでいた私の肌が美しいお洋服で包まれていくのが、まるで“新しい皮膚”を与えられたようで、得も言われぬ感動を覚えました。
“新しい皮膚”とは言いましたが、肌を覆い隠す盾などではなく、むしろ美しく彩ってくれる“美術品”。『誰も見ないで！』と思っていた私を、光のもとに導いてくれたロリィタには恩を感じています」
アトピーによってネガティブな感情のなか生きてきた人生を変えたロリィタファッションとの出会い。続編では、1年の半分は海を渡っているという夕霧さんの“海外で死にかけた”エピソードや、SNSで発信するうえで意識していることなどについて語っている。
（第2回に続く）
【写真】「完全に小学生…！」自販機と比べたロリィタ（25）の“サイズ感”
▶︎つづきを読む 《砂漠を歩く動画でバズった身長133センチのモデル》「海外で死にかけた」夕霧わかな（25）が世界で経験した数々の大ピンチ“アメリカのトイレが高すぎて”
▶︎つづきを読む 《25年間アトピーと向き合い続けた“すっぴん”素顔を公開した理由》ロリィタモデル・夕霧わかな「同級生の皮膚が妬ましかった…」思春期を経て気づいた“コンプレックスへの向き合い方”
