アニメ主人公のコスプレ姿で握手に応じる国民民主党の玉木雄一郎代表(右)。2019年7月(時事通信フォト)
その後に民主党は迷走を続け、民主党議員たちも離散集合を繰り返した。2016年に維新の党と合流したことで党名を民進党へと改め、新たな船出とした。しかし、翌2017年には前原誠司代表(当時)が解党を電撃発表する。
前原代表が解党を決断した理由は、きたる衆院選を民進党のまま戦うことは厳しいとの判断だった。そこで、2016年に都知事に就任した小池百合子氏に協力を求めた。
小池都知事は地域政党・都民ファーストの会を立ち上げて都政運営にあたっていたが、国政進出にあたり2017年に希望の党を設立。民進党も出馬予定の全候補が希望の党へと合流することになっていた。ところが、合流する候補者の少なくないメンバーが安全保障政策や憲法に対する考え方が異なることを問われた小池都知事が「もちろん『排除』します」と応じた。「排除」発言に反発した人たちが離れ枝野幸男議員を中心に立憲民主党を立ち上げ、一部の議員は立憲から出馬。これらの騒動で希望の党は勢いにブレーキがかかってしまい、衆院選では惨敗を喫した。
こうした経緯をたどって、再び希望の党から分離したのが最初の国民民主党だ。このとき誕生した国民民主党は代表に玉木氏を選出したが、現行の小選挙区制は小政党が不利になるため、立憲との再合流を求める声も根強かった。これらを踏まえて2020年には立憲民主党が解党し、それまでとは別の新しい立憲民主党を立ち上げるという形式を踏むことで半数以上の国民民主党議員が新・立憲民主党に合流した。
多くの議員が立憲へ合流したのち、国民民主党もいったん解党した。そして新・立憲民主党に合流しなかった議員らによって新・国民民主党を立ち上げることになった。発足にあたり、玉木氏が引き続き代表に就き、参議院の榛葉賀津也議員が幹事長という新体制が取られた。
玉木雄一郎代表の巧みなたちまわり
同じ代表、同じ名前で二度目に発足した国民民主党は当初、その複雑な成り立ちや所属議員が少数ということもあって、永田町における影響力は小さかった。
党としての弱さは選挙でも如実に反映されていた。例えば、発足してから初めての国政選挙として臨んだ2021年の衆院選は選挙前8議席から11へと増えたものの、擁立した候補者は27名で、半数以上が落選している。そして2022年の参院選では、議席を7から5へと減らし、非改選と合わせても10議席にとどまっている。
