“進次郎劇場”を追い風に自公で衆参過半数を回復できるか(時事通信フォト)
石破茂・首相が衆院解散をチラつかせるのは、野党に内閣不信任案を出させないための保身のブラフではなかった。コメ値下げをめぐる連日の“進次郎劇場”で自民党への逆風は止まった。本誌・週刊ポストは自民党の参院選に関する情勢調査の結果を入手。そこでは自民党の善戦が予測されている。そして石破首相は「いまダブル選挙を打てば勝てる」と、本気で狙っている。果たしてダブル選挙になれば自公政権は衆参過半数を回復できるのか。緊急議席予測を行なった。【全3回の第3回。第1回から読む】
自民党に戻ってくる保守派層
本誌・週刊ポストは自民党が5月に行なった参院選の情勢調査を入手した。〈参議院選挙の情勢調査の概要〉と題する報告書では、「自民党49議席、公明党12議席」で与党合計61議席を獲得。自公ともに現有議席からは減るものの、非改選(自公で75議席)を合わせると136議席となり、過半数を12議席上回ると予測している。
そこで本誌は、自民党の分析に加え、コメ値下げに注目が移ったことや、自民党支持層の回帰、国民民主の失速といった情勢変化を踏まえて、選挙情勢分析に定評がある政治ジャーナリスト・野上忠興氏に改めて衆参ダブル選挙を想定した最新の選挙情勢を分析してもらった。
「進次郎効果」で自民党の議席はどのくらい押し上げられるのか。
「過半数割れ」の見通しから大激変!参院選「各党議席予測」
掲載の表は、まず参院選について野上氏の4月予測と今回の各党の予想議席を比較したものだ。
4月時点で自民党は選挙区で21議席の惨敗の情勢だったが、現状は27議席まで回復見込み。昨年の総選挙で離れた基礎票が戻りつつあることから、比例代表も13議席から14議席に増えそうだ。選挙区と比例合わせて自民党は41議席と前回予測より7議席の積み上げ。
逆に苦戦しているのが公明党だ。複数区で国民民主や共産党と苦しい最下位争いを繰り広げている。基礎票は減っており、選挙区は前回より1議席減らす可能性がある。
「自民党は進次郎劇場が続けば、議席のさらなる積み上げもあり得ますが、公明党の議席が減る分をカバーしなければならないのが重い足枷になっている」(野上氏)
それでも現時点で自公合計52議席をほぼ確保し、参院での過半数維持は濃厚な情勢になりつつある。