1000~2000万円の売り上げがあったという(インスタグラムより)

シャンパンタワーの前に立つAさん(インスタグラムより)

「どうぞ! Bさん、嘘つきですね」

 店舗のオープン記念、年明けなど様々なタイミングで被告人はシャンパンタワーを頼んだ。2022年3月のイベントでも被告人はシャンパンタワーを頼んだが、この日、Aさんとの関係が良好にならない、Aさんが自身の席に着く時間が短いなどを理由として、大声を出し、罵声を浴びせた。そして、その日から被告人は店に来なくなった。

 来店はないが、店の前や自宅前での待ち伏せは継続し、Aさんとの関係修復か金銭返還を要求された。BさんからAさんに、(和久井被告に)一定の金額を渡して折り合いをつけるのはどうかと提案したが、Aさんは「飲食をしておいて(金を)返せというのは筋が通らない」として、納得しなかった。

 その後、2022年5月に被告人はストーカー規制法違反の疑いで逮捕され、釈放後に接近禁止命令を出された。1年経ち、禁止命令の更新時期が来たが、そのころには被告人の接触がなかったのと、警察に出向いての更新をAさん自身が面倒だと感じたこともあり、更新は行わなかった。その後、事件まで、Aさんと被告人との接点はほとんどなかったという。

 生前のAさんの印象について、Bさんは「普段は温厚で、仕事には人一番努力する」と語った。職業柄、華やかな世界に見えるが、Aさんは倹約家であったという。将来は「25歳までに出産して、普通の家庭で生活をしたい」と願っていたという。

 そして、被告人が事件を起こした時の感情について聞かれると、Bさんは言葉を選びながら慎重にこう答えた。

「ビックリして、なかなか受け入れられなかったです。ただ、今から被告人の行動を振り返ると、こういうことを起こすのは驚きではない。

(被告人に対しての気持ちは?)言葉は悪いですが……この場でできるなら同じ目にあわせたい」

「どうぞ!」━━突如法廷に、想定外の言葉が響く。これまで無言だった被告人が、自席から声を上げていた。姿勢や表情を変わらないが、怒っているのは明白だった。言葉を続ける。「●●(Bの名前)、嘘つきですね」。法廷がざわつき、和久井被告の発言は制止された。

 検察官とBさんとのやり取りに、被告人は相当フラストレーションを溜めていたようだ——第2回記事では、BさんとAさんが離婚した経緯や、AさんがSNSのライブ配信で語っていた和久井被告への感情について報じる。

第2回記事へ続く

◆取材・文/普通(傍聴ライター)

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