1996年の松井秀喜は「メークドラマ」実現の立役者となった(時事通信フォト)
ジャイアンツには2軍や3軍にも優秀な人材がいるわけで、3軍の駒田(徳広)監督を引き上げてもいいわけです。1軍のコーチが失格ということではなく、選手の戦力が限られているのだから、違った練習や打撃での考え方のヒントやアドバイスを試みる。これだけ得点能力がないのなら、それを視野に入れてもいいと思う」
打線への刺激策が必要と強調するのは「投手陣は持ちこたえている」(関本氏)との見方からだ。
「チーム防御率で阪神の1点台はズバ抜けているが、ジャイアンツも2点台中盤です。先発が6回を0点、7回を2点といったゲームも少なくない。打線に得点能力があれば勝ち投手ですからね。
DeNAから獲得した左の石川達也もいいし、右バッターならシュートで内野ゴロを打たせられる田中瑛斗もいる。大勢とマルティネスの2枚看板もいる。阪神は先発が素晴らしいが、ピッチャーだけで中継ぎ、抑えまで含めると互角に戦える戦力を備えている。阪神との前半最終戦の3連戦で連敗した2戦は20イニングで1得点。チャンスであと1本が出ない」(関本氏)
主砲の岡本和真不在のなか、4番の代役は吉川尚輝、キャベッジ、大城卓三、丸佳浩、増田陸、坂本勇人らが務めている。
「岡本と比べたら物足りないが、日本ハムをみればわかるが前日の活躍で選手を頻繁に変えて勝っている。ジャイアンツも岡本が戻ってくるまで凌ぐしかない。それだけに刺激策が必要ということです」(関本氏)
困難を乗り越えて「令和版・メークドラマ」を実現させない限り、阿部監督には厳しいオフとなりそうだ。
※週刊ポスト2025年8月8日号