「早く未来に出会ってみたいですかね。多分未来も明るいなって感じです(笑)」
「私が怒ってこの子の自己を否定してしまったんだなと反省して、『あなたが悪いんじゃなくて、あなたの心の中にいるモヤモヤくんが悪いんだよ』って、言い方を変えたんです。嫌なことがあったり、疲れると、人にはモヤモヤくんが出てきちゃうからお母さんに言ってねって。モヤモヤくん出てきたら、お母さんとぎゅーっとしたり、お母さんやお父さん話すとモヤモヤくんはお空に飛んで行くんだよって。それからすごくニコって笑顔になって、モヤモヤくんが出てきたら教えてくれるようになりました」
──目からウロコの子育て論ですね。母親となり、独身時代とは仕事に向き合う時の変化はありましたか?
「仕事の楽しさもよりわかるようになり、仕事と日常のメリハリがつくようになりました。『ブランチ』時代は生活の全部が『ブランチ』だったんですけど、今は家に帰ったら日常が待っていて、仕事は自分だけで集中できる時間もあるし、悲しいことがあっても仕事があることでまぎれたり、仕事で救われることも経験したので、楽しさやありがたさをより感じるようになりました」
──これから叶えたい夢などはありますか?
「改めて自分の半生を振り返って、今までで支えてくださった多くの方に感謝の気持ちでいっぱいです。そして、やっぱり思ってもみなかった楽しいことがいっぱいあったなと思うので、もし今、チアで燃え尽きて人生に悩んでいた17歳の自分に伝えられるなら『思ってもない楽しいところに行き着くから大丈夫だよ』って言ってあげたいです。
そう考えたら、きっとこの先、40代、50代、60代の自分も今予想もできない楽しいことをやってるだろうなって思うので、早く未来に出会ってみたいですかね。多分未来も明るいなって感じです(笑)」
(了。第1回から読む)
文/千島絵里香(ジャーナリスト)