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《春風亭一之輔はCAギックリ腰投稿で炎上騒動に》“怒りのえさ”に食らいつく人たち タチが悪いのは「世のため人のために」と思っているケース

Xへの投稿で炎上した春風亭一之輔

Xへの投稿で炎上した春風亭一之輔

『笑点』(日本テレビ系)のレギュラーメンバーである春風亭一之輔(47才)が炎上騒動に巻き込まれた。コラムニストの石原壮一郎氏は、この騒動の背景には「怒りのえさ」に食らいつく人たちがいると分析する。ネットに転がる「怒りのえさ」の“危険な誘惑”について石原氏が解説する。

 *  *  *
 認めたくはありませんが、私たちは怒るのが大好きです。日々ニュースを見たり読んだりするのは、「ケシカラン!」と腹を立てるネタを見つけるためと言っていいでしょう。そして怒れば怒るほど、自分は「ちゃんとした人間」だという錯覚を手軽に覚えられます。

 ネットが生活の中で大きな比重を占めるようになって、あらためて「人は怒ることがいかに好きか」ということに気づかされました。SNSでもネットニュースのコメント欄でも、常に多くの人が威勢よく怒っています。

 イギリスのオックスフォード大学出版局(OUP)が12月1日、恒例の「今年の言葉」を発表。栄えある2025年の言葉に選ばれたのは「レイジ・ベイト(rage bait)」でした。朝日新聞の3日付の記事では「怒りのえさ」と訳されています。

 OUPは「レイジ・ベイト」を「イライラさせたり、挑発的だったり、不快にさせたりすることで、意図的に怒りや憤りを誘発するように設計されたオンラインコンテンツ」と定義しています。ニュースや記事だけでなく、近ごろ流行りのショート動画の類も、登場する困った上司やダメな夫や意地悪な姑が、怒りや憤りを存分に誘発してくれますよね。

「怒りのえさ」になっているのは、意図的に設計されたコンテンツだけではありません。いわゆる「炎上案件」やバッシングを受けている人や団体など、ネット上には常に「おいしそうなえさ」がぶら下がっていて、たくさんの人がそれに群がっています。

春風亭一之輔の炎上事件に見る「えさ」に食らいつく人たちの身勝手さ

 先日も、多くの人が脊髄反射で「怒りのえさ」に食らいついている光景を目の当たりにしました。『笑点』(日本テレビ系)のレギュラーメンバーである春風亭一之輔が2日、Xにこう投稿します。

《CAさんが俺の荷物のせいでギックリ腰になって、となりの席で休んでる》

 後日、本人が明かしたところによると、持っていたトートバッグを前の座席の下に入れようとしていたら、通りがかったベテランのCAさんが入るかどうか確かめてくれようとして、その瞬間に腰に異変を感じて空いていた席でしばらく休んでいたとのこと。

 とにかく何かに怒りたいと思っている人たちにとって、この投稿は格好の「えさ」でした。

 脳内で拡大解釈して「一之輔がか弱いCAに重い荷物を棚に上げさせた」という光景を想像し、「なんてひどいヤツだ!」「怪我をさせておいて笑うとは何ごとだ!」といった批判が殺到し、派手に炎上します。

 その後「一之輔は何も悪くない」とわかってからも、多くの人が「誤解されるような書き方をするヤツが悪い!」などと、勝手に誤解したことを反省するどころか、円熟の技を駆使して新たな怒りを炸裂させました。脊髄反射で一之輔を批判した人たちは、きっとまたすぐに別の「えさ」を見つけて、迷いなく食らいつくに違いありません。

 芸能人のスキャンダルや政治家の失言、凶悪事件、期待外れの映画やドラマなど、私たちのまわりは常に魅惑的な「えさ」であふれています。怒ることで「自分は強い」「自分は正しい」「自分は賢い」と周囲や自分自身に向かって吠えている姿は、野良犬がえさに食らいついてうなり声を上げている姿と、まあ似たり寄ったりと言えるでしょう。

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