伊豆の伊浜で行われている祭り(深沢さん提供)
スミを塗りたくる奇祭
──一方で、恐怖を感じた祭りもあるとか。
「最近で一番インパクトが強かったのは、伊豆の伊浜という地域で行われている秋祭りですかね。これはネットにもほとんど情報がなくて、行ってみたら凄まじい光景が広がっていました」
──何が起きていたんですか?
「祭りの最中に、男根を持った『しょうすけ』と呼ばれるひょっとこが現れるんですけど、その見た目がまず怖いんです。日本のコミカルなひょっとこじゃなくて、上半身裸で海外の来訪神みたいな雰囲気で。そのひょっとこが、スミを塗りたくった真っ黒な手で、集まった村人を襲うんです。
もう容赦ないですよ。逃げ惑う女性を捕まえて地面に転がして、馬乗りになって、顔に墨を塗りたくるんです。悲鳴が上がって、髪の毛掴まれて引きずり回されて……。観光客向けの生ぬるいパフォーマンスじゃなくて、完全に地元のコミュニティの中で完結している『本気』のやつ」
──それを承知で参加されている方ばかりと言うことですね。
「そうですね。とても激しい行為なわけですが、『祭り』だから許される。一種の『無礼講』の空間なんですよね。 久しぶりに『あ、これはヤバいものを見たな』って興奮しました。私は部外者オーラが出てたのか、ちょっとソフトな対応で済みましたが」
