エルサルバドルのテロリスト収容センターを視察した時のノーム長官
胸の目立つ白いブラウス姿で、強制送還された移民が収容されているエルサルバドルの「テロリスト拘禁センター」を視察したノーム氏をテレビのニュースで見た国土安全保障省の面々の間では、「収容された男たちにとっては目の毒だ」といった陰口も聞かれたという。
ノーム氏は「女性の見た目を笑いものにするなんて許せない。批判すべきは政策だ」と言うものの、「彼女は目立つのがお好き」と茶化す省内の男性陣は尽きないようだ。
そのノーム氏は事件後、詳細な説明を避けた。「正当な法執行だった。射殺された人は『国内テロ』だ」と繰り返した。
銃を引いたのは部下だが、引き金を正当化したのは彼女だ。一人の母親の死を「国内テロ」という言葉で塗り替え、秩序の名の下に封印する。その冷笑の向こうにあるのは、もはや法治ではなく恐怖統治ではないのか。
◆高濱賛(在米ジャーナリスト)
