現在、伊勢ヶ濱部屋にはモンゴル出身力士が2人在籍する。照ノ富士が現役だったために4年半の研修期間を経て昨年11月の九州場所で初土俵を踏んだ“史上最強の研修生”と称される旭富士は、初土俵を踏む時から横綱の四股名を継いでいる期待の星だ。もうひとりは「白鵬」を四股名に入れていた聖白鵬で、初場所から寿之富士に改名し、自己最高の幕下2枚目で十両昇進を目指している。相撲ジャーナリストが言う。
「白鵬はモンゴル出身でも日本在住10年の経歴があれば日本人力士扱いになるルールを利用して、鳥取西中から鳥取城北高、日大や同志社大と中高大を日本で過ごしたモンゴル出身力士を入門させるルートを開拓していたが、それも伊勢ヶ濱部屋が手にすることになるという。
照ノ富士が鳥取城北出身というのも大きいでしょう。白鵬が9年前に来日に導いたモンゴル出身力士が鳥取の社会人相撲で活躍するなどしていますが、そうした人材を獲得するパイプが完成しつつある」
部屋が所属する伊勢ヶ濱一門の理事は元大関・魁皇の浅香山親方が務めているが現在53歳だ。前出・相撲ジャーナリストが続ける。
「浅香山親方の理事が10年続いたとしても、現在34歳の照ノ富士は40代半ばですからね。一門の横綱である照ノ富士は間違いなく将来の理事候補です。しかも、一門には売り出し中の新大関・安青錦もいる。横綱に昇進した時の土俵入りの指導は照ノ富士がやることになるだろうし、伊勢ヶ濱部屋にも大関・横綱候補がゴロゴロいる。一門に強い人気力士が多くいることは、協会で出世の階段を昇るうえでも追い風になる」
先輩後輩の関係にあるモンゴル出身横綱2人の立場が逆転しようとしていることだけは間違いなさそうだ。
※週刊ポスト2026年1月30日号