東京博善の持つ都内最大級の火葬場・桐ヶ谷斎場(写真/AFLO)
その小佐野はわずか数年で廣済堂(当時。現・広済堂HD)を率いる櫻井義晃に株を譲った。政治家から右翼、暴力団まで幅広い人脈を誇り「昭和の怪商」と呼ばれた櫻井は、煙突をなくし、ホテルのように建て替える「火葬場の斎場化」によって通夜、葬儀、告別式の利用を増やし、収益力を大幅にアップさせた。
そうした「金の卵」を生む東京博善に昭和史に名を刻む辣腕の男たちしか手を出せなかったのは、かつて火葬場がアンタッチャブルな存在と意識されていたからだ。
* * *
第2回記事【「単純にいい投資先でした」火葬ビジネス『東京博善』のトップに立った中国人実業家が明かした買収の動機 目指すは「火葬に依存しないビジネスモデル」】では、21世紀に入ってから顕著になった火葬場に対する日本人の意識の変化や、「東京博善」の資本市場を中国人実業家である羅が勝ち抜いた理由について解説している。
(第2回につづく)
取材・文/伊藤博敏(ジャーナリスト)
※週刊ポスト2026年1月30日号
