よりプライベート感のある写真をInstagramに投稿(Instagramより)
「彼女は、成功が単一の分野に限定されるという固定観念を打ち破っている。世界トップレベルのスキーヤーであり、ファッションアイコンであり、同時に学生でもある。その生き方は、多くの若者に“統合された成功”の可能性を示している。
反面、2022年、彼女がスタンフォードに入学が許可された直後、中国共産党中央規律検査委員会とのインタビューで(共産党の高官による性的不正行為を暴露した直後姿を消し、長期間行方不明になった)元テニス女子選手は『とても幸せで元気だ』と発言、共産党の立場を支持したとして一部から入学取り消し要求の動きもありました。
大学当局は、学業成績、課外活動、論文、推薦状などの選考基準で選考しており、政治的意見や代表する国籍などを理由にいったん許可した入学許可を取り消すことはなかった。
しかし、アメリカで生まれかつてはアメリカの代表だった彼女が、今回の五輪に中国代表で参加することを快く思っていないものもいる。大学関係者の中には『彼女がスタンフォードのために何かしているわけではない』と思っているものいるようだ」
大谷翔平が「二刀流」の象徴として世界的評価を得ているのであれば、谷愛凌はまさに競技・学業・表現を同時に成り立たせる「三刀流」と言えるだろう。
彼女の存在を特別なものにしているのが、文化的背景だ。
彼女は中国代表として国際大会に出場しながら、アメリカで学び、英語と中国語を自在に操る。その姿は、グローバル化した現代社会を映す鏡でもある。
ミラノ・コルティナ冬季五輪で谷愛凌さんがどのような演技を見せるのか。その結果はもちろん注目されるが、同時に彼女の真価は、メダルの色だけでは測れない。
学び、競い、表現する。谷愛凌さんの「三刀流」は、スポーツ選手の枠を超え、次の時代のロールモデルとして、アスリートに対する固定観念を打ち破るシンボルであることだけは間違いない。
◆高濱賛(在米ジャーナリスト)
