北京五輪では1000mの金を含む4個のメダルを獲得した高木美帆(Getty Images)
兄・健司も襲われた「五輪の魔物」
ハラハラドキドキさせられるスキーのジャンプは今大会からレギュレーションが変わり、団体は4人から2人のチーム戦になった。
「岡部、斎藤の好ジャンプに胸を躍らせてドキドキしながら原田を見守り、最後は船木に賭けるといった長野五輪の感動を知る世代としては寂しい気もしますが、ジャンプ男子はエースの小林陵侑選手に加えて二階堂蓮選手が伸びてきました。チーム戦は小林・二階堂ペアでメダルの期待が高まります。
ジャンプ女子もこれまで高梨沙羅選手頼みでしたが、丸山希選手が台頭して日本のエースになりつつあります。前回大会を膝の大怪我で断念した丸山選手は今季絶好調で世界ランキングは断トツ1位(2025年12月取材時点)。金メダルに手が届く位置にいます」
ただし心配な面もあるという。
「オリンピックには魔物が棲んでいます。私の兄の荻原健司は“金メダル獲得間違いない”と言われた1994年のリレハンメル五輪・ノルディック複合個人で4位に終わりました。後で本人に尋ねたら、『もう攻める必要はない。いつも通りにやればいいんだ』という守りの姿勢で臨んだことが失敗の原因になったそうです。だから丸山選手も守りの姿勢に入らずアグレッシブに攻めてほしい。特にジャンプは邪念が入るとほぼ失敗するので、最高のパフォーマンスを出す動きを何度も繰り返しイメージして欲しいですね。
その意味では、小林陵侑選手は何も考えていないのが強み(笑)。彼は天性の明るさを持つ好青年で、ノリがいい。一昔前の日本の選手はオリンピックで日の丸を背負う悲壮感が漂っていたけど、小林選手はまったくそんな感じがなく、今どきの選手だなと思います」
スノーボードは3大会連続でメダル獲得中の男子ハーフパイプ・平野歩夢選手、2大会連続の表彰台を狙う女子ビッグエアの村瀬心椛選手、女子ハーフパイプの清水さら選手と工藤璃星選手の16歳コンビなど、多くの日本人選手によるメダル獲得が期待される。注目は何といっても「華麗な回転技」だ。
「人間ってこんなに回れるんだってくらい回転しますからね。ただし『バックサイド2340メロングラブ(背中側の回転で6回転半+空中でかかと側を掴む)』や『トリプルコーク1620(斜め軸に縦3回転、横4回転半)』など、スノーボードは技の名前を覚えられない……(苦笑)。ちなみに、男子ビッグエアとスロープスタイルの金メダル候補である荻原大翔選手について、『ご親戚ですか?』とよく聞かれますが、血縁関係はありません(笑)。荻原選手、ぜひ頑張ってください!」
