芸能

脱朝ドラ戦略を分析 吉高由里子はイメージリセット狙いか?

 週間平均視聴率が、放送開始から6週連続で20%以上を記録したNHK朝の連続小説『マッサン』。エリー役のシャーロット・ケイト・フォックスはアメリカに夫を残して“単身赴任”中だが、先日、ドラマ終了後のスケジュールを聞かれ、「白紙です。分かりません。ずっと日本にいるかも」と発言したことが報じられた。

 だが、これほど人気のドラマなのに未だに彼女本人の名前ではなく「マッサン女優」と言われているのは、今後の彼女の女優人生に少なからず影響しそうだ。

「朝ドラ出演者は、次のプロモーション展開がカギ。半年間同じ役柄を続けると、そのイメージが強くなるため、次に出る作品が重要になってきます。

“当たり役”は役者生命を伸ばすときもあれば、縮めることもある。ですから事務所、俳優ともにテーマとなってくるのがやはり、“脱朝ドラ”の戦略なんです」(テレビ関係者)

 朝ドラ後に出る次回作が大事、ということか。そこで近年朝ドラ出演で注目を集めた俳優の「朝ドラ後」の作品を探ってみた。

 高視聴率を記録するドラマ『きょうは会社休みます。』(日本テレビ系)。ヒロイン綾瀬はるかが恋する年下の大学生を演じるのが福士蒼汰だ。『あまちゃん』では、ヒロイン能年玲奈が恋する「種市先輩」役を演じた。

 そんな福士が『あまちゃん』の次の作品として、選んだのは「月9」だった。『海の上の診療所』(フジテレビ系)で、主演の松田翔太の脇に徹した。続いて出たのが土曜ドラマ『弱くても勝てます~青志先生とへっぽこ高校球児の野望~』(日本テレビ系)。ここでも主演・二宮和也演じる教師の生徒役という脇役だった。

 だが『海の上の診療所』の平均視聴率11.4%、『弱くても勝てます』に至っては9.9%。いずれも決して成功とは言えない視聴率だったが、脇役に回ることで福士蒼汰というブランドの傷を最小限にとどめることができたのだ。

 そして今回の『きょう会社休みます。』で満を持して“準主役”にステップアップ。大河女優であり、日テレのドラマで実績を残している綾瀬の相手役に選ばれたのだった。

「ここでつまり、もしこのドラマがふるわなくても、言葉は悪いが、主演の綾瀬はるかへの風当たりが厳しくなるだけ。逆に、ドラマが成功した場合、綾瀬はるか以上に注目されることは必至。結果的にヒットし、各局で福士争奪戦が起きているそうです。つまりは、事務所の戦略勝ちなんです」(同)

 一方、朝ドラ後の次回作選びに多少、難があったと言われるのが、仲間由紀恵だ。

 彼女は足かけ6年、第3シリーズまで続いた『ごくせん』(日本テレビ系)で人気を集めたが、以降そのイメージから脱却しきれず、どのドラマに出ても伸び悩んでいた。たが先の『花子とアン』で主演・吉高由里子演じる花子の“腹心の友”葉山蓮子を好演。

 復活した彼女が『花子とアン』の後に出たのが、現在放送中の『SAKURA~事件を聞く女~』(TBS系)という刑事ドラマ。役柄は、朝はコミュニティFMのパーソナリティ、昼は刑事という『ごくせん』時代を彷彿とさせるキャラクター全開のドラマ。3話目の視聴率は8.5%と伸び悩んでいる。

 同じく、朝ドラ後、刑事役のドラマに出た女優がいる。

『ごちそうさん』で、ヒロイン・め以子(杏)を徹底的にイビりまくる小姑役で人気を博したキムラ緑子だ。注目を集めた直後の作品は水川あさみ主演の『東京スカーレット〜警視庁NS係』(TBS)系。キムラにとって初の刑事ドラマだったが、平均視聴率6.6%という寂しい結果に。「役がキムラさんに合わない」という声も聞かれ、キャリアにミソをつけてしまった。
 
「この時代、これだけ刑事ドラマが量産されると、視聴者も辟易するだけですから、よほど勝算がないと出演を踏み切るのは厳しいかもしれません。逆にもしヒットしたとしてもシリーズ化され、また新たなイメージがついてしまいますしね。ちなみに『ゲゲゲの女房』で注目を集めた松下奈緒が民放の連ドラで初主演したのも『CONTROL~犯罪心理捜査~』(フジテレビ系)という刑事ドラマでした。でも平均視聴率は決して高いとは言えない13.4%。朝ドラ後の刑事ドラマは鬼門かもしれません」(同)

 最後に、気になるのは『花子とアン』で主演を務めた吉高由里子の動向だ。今年の紅白に紅組司会として出るが、次回作のドラマ情報が今のところない。未だ不明のままだ。

「今は休養の時期だとは思いますし、イメージがリセットされるためには必要な時間です。ただ次回作までのブランクが長いと、彼女自身の印象が薄くなってしまいます。『あまちゃん』後の主演・能年玲奈が、1年後に映画『ホットロード』でイメージ脱却を図りましたが、少し時間を置きすぎた感がある。吉高も早く手を打たないと、CM中心のメディア露出だけではそんなに話題はもたないでしょう」(同)

 吉高がどんな“次の一手”を打ってくるのか。サプライズがあるかもしれない。

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