「フリーアナの露出が減っているのは、経費削減だけが事情ではないでしょう。たとえば元TBSの小林麻耶アナは一時低迷していましたけど、今また売れているわけですし、使いたい魅力があれば起用されますよ。
日テレのアナウンサーは、厳しい環境で育てられます。わかりやすくいえば、体育会系。おっとりしたタイプはなかなか上手く行きません。他局以上に負けん気が強く、勝ち抜く気持ちがないと社内競争で生き残れない。西尾アナなんて、その典型でした。番組の飲み会にもほとんど参加しないし、スタッフにも妥協を許さない。日テレは仕事さえちゃんとできれば、ちゃんと優遇される。だから、西尾アナはエースアナだったんでしょう」
妥協を許さない日テレは番組制作力が高く、視聴率では独走状態が続いている。だが、フリーアナとして他局で仕事をするとき、日テレ時代と同じ対応では周りがついてこないのだという。
「他局とは文化が違いますし、日テレでは局員同士だから厳しくても許されたけど、フリーでも同じ態度を取っていると、どうしても煙たがられてしまいます。それが良いのか悪いのか別として、特に今はやりやすい人と仕事をする時代ですよね。西尾アナだけでなく、日テレの社風としての厳しさが残っているアナは、フリーでは成功しづらい時代になっている。それがひとつの大きなポイントでしょう。
男性陣を見ても、かつてフリーで活躍していた福留功男アナ、福澤朗アナも、とにかく厳しい人でした。彼らも、1990年代や2000年代は出ていたけど、今はオファーが減っていると聞いています。ある意味、厳しい人を嫌がるテレビマンが増えている証拠と言えるかもしれません」(同前)