御料牧場で飼育されている食用の羊(写真/共同通信社)

御料牧場で飼育されている食用の羊(写真/共同通信社)

 生産物は皇族方の口に入るのはもちろんのこと、宮中晩餐会や園遊会など、内外賓客の接遇行事に用いられる。5月11日に、赤坂御苑(東京・港区)で5年ぶりに開催される両陛下主催の園遊会では、まだコロナ禍の影響が色濃く残ることから食事の提供は見送られた。しかし今後、社会が平時を取り戻すにつれ、令和皇室における御料牧場の存在感は増していくだろう。

 だが、高いクオリティーを求められる半面、御料牧場では耳を疑うような実態が広がっているという。御料牧場に詳しい宮内庁関係者が語る。

「御料牧場の職員が、牧場でとれた卵や野菜、牛乳を公然と持ち帰っていたのです。食材は新聞紙に包まれ、職員の名前が書かれていました。そこには、次長などの幹部クラスはおろか、牧場長の名前まであり、“おこぼれに預かる”のが常態化していました。

 彼らは“お金を払ってますから”と嘯いていましたが、宮内庁庁舎の食堂で販売されている牛乳などを除いて、そもそも職員が生産物を直接買うことはできません。簡単に言えば“野菜泥棒”です」

 御料牧場は国有地であり、飼育や栽培、加工にかかる農機具や設備、飼料や肥料一切の費用は税金で賄われている。前出の宮内庁関係者が続ける。

「そうして育てられた国の作物を、自らも税金を原資とした給与を得ている国家公務員が勝手に持って帰るというのは、許しがたいことです」

 本誌『女性セブン』が「持ち帰り」を行っていたとされる元次長に電話をかけると、「もう退職しており、一切お答えできません」と繰り返すばかりだったが、「生産物の持ち帰り」を否定することはなかった。

 理解に苦しむ行いはほかにもあったという。

「東京から幹部職員が視察出張に来た際などには、よく羊肉を使ったバーベキューパーティーが開催されていました。

 御料牧場では、かなりの数の食用の羊が飼育されています。羊肉がヨーロッパでは重宝されるのに加え、外国からの賓客は宗教上の理由から食べられる肉の種類が限定されることがあるのに対し、羊肉にはそうした制限がかからないためです。園遊会でも、例年ジンギスカンが振る舞われていました。

 そのようにして、賓客に供するべき食材が、内々の会合で使われるわけです。多いときには、一度に数百kgの羊肉を消費したこともあったと聞いています。羊肉は出張者へ提供される食事という名目でしたが、それでも百kg単位で使うのはやりすぎでしょう。『酒池肉林』のやりたい放題でした」(前出・宮内庁関係者)

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