国内

神戸に続いて 東北地方に「炊き出し暴力団」あらわる

 被災地では、迷彩服を着た自衛隊員や赤いチョッキの医療従事者、ハッピ姿の消防団の懸命な救援活動が連日報じられている。その陰で身分や名前を隠し、こっそりと被災者支援をしている“ボランティア団体”がある。

 暴力団事情に詳しいジャーナリストがいう。

「ある広域指定暴力団は、地震発生直後から東北の事務所や傘下組織をフル動員して、地域の住民や建物の被害状況を報告させました。その後、福島県にある傘下組織の本部を拠点として、全国から食料や乾電池、毛布などの支援物資を集めています。

 そこから物資をどの避難所に届け、どこで炊き出しをやるかは極秘。いまは反社会的勢力への風当たりが強くなっているので、ヤクザからは受け取れないと、避難民に拒否されないためのようです」

 他の暴力団組織でも、組の行事を中止して、被害の大きい仙台を中心に人や物資を送り込んでいるという。

 阪神・淡路大震災の時、神戸に本拠を置く山口組が炊き出しなどを行ない、その義侠心が話題になった。が、一方では「復興工事参入の下準備ではないか」と疑問視する声も上がった。

「半倒壊の住居やビルの解体、瓦礫の処理が暴力団のシノギになるケースは多い。“復興需要”を見越して人員を送り込むのは、阪神の時でも、今回の震災でも同じでしょう」(同前)

 宮城県警関係者が危惧する。

「戦後、日本が焼け野原になった時に様々な組織が乱立して治安が悪化したように、東北でも、新手の組織が勢力拡大を目指すことが考えられる」

※週刊ポスト2011年4月8日号

関連記事

トピックス

雅子さま(2025年10月28日、撮影/JMPA
《雅子さま、62年の旅日記》「生まれて初めての夏」「海外留学」「スキー場で愛子さまと」「海外公務」「慰霊の旅」…“旅”をキーワードに雅子さまがご覧になった景色をたどる 
女性セブン
悠仁さま(撮影/JMPA)
《悠仁さまの周辺に緊張感》筑波大学の研究施設で「砲弾らしきもの」を発見 不審物が見つかった場所は所属サークルの活動エリアの目と鼻の先、問われる大学の警備体制 
女性セブン
清水運転員(21)
「女性特有のギクシャクがない」「肌が綺麗になった」“男社会”に飛び込んだ21歳女性ドライバーが語る大型トラックが「最高の職場」な理由
NEWSポストセブン
活動再開を発表した小島瑠璃子(時事通信フォト)
《輝く金髪姿で再始動》こじるりが亡き夫のサウナ会社を破産処理へ…“新ビジネス”に向ける意気込み「子供の人生だけは輝かしいものになってほしい」
NEWSポストセブン
高校時代の安福久美子容疑者(右・共同通信)
《「子育ての苦労を分からせたかった」と供述》「夫婦2人でいるところを見たことがない」隣人男性が証言した安福容疑者の“孤育て”「不思議な家族だった」
中国でも人気があるキムタク親子
《木村拓哉とKokiの中国版SNSがピタリと停止》緊迫の日中関係のなか2人が“無風”でいられる理由…背景に「2025年ならではの事情」
NEWSポストセブン
ケンダルはこのまま車に乗っているようだ(ケンダル・ジェンナーのInstagramより)
《“ぴったり具合”で校則違反が決まる》オーストラリアの高校が“行き過ぎたアスレジャー”禁止で波紋「嫌なら転校すべき」「こんな服を学校に着ていくなんて」支持する声も 
NEWSポストセブン
24才のお誕生日を迎えられた愛子さま(2025年11月7日、写真/宮内庁提供)
《12月1日に24才のお誕生日》愛子さま、新たな家族「美海(みみ)」のお写真公開 今年8月に保護猫を迎えられて、これで飼い猫は「セブン」との2匹に 
女性セブン
東京ディズニーシーにある「ホテルミラコスタ」で刃物を持って侵入した姜春雨容疑者(34)(HP/容疑者のSNSより)
《夢の国の”刃物男”の素顔》「日本語が苦手」「寡黙で大人しい人」ホテルミラコスタで中華包丁を取り出した姜春雨容疑者の目撃証言
NEWSポストセブン
石橋貴明の近影がXに投稿されていた(写真/AFLO)
《黒髪からグレイヘアに激変》がん闘病中のほっそり石橋貴明の近影公開、後輩プロ野球選手らと食事会で「近影解禁」の背景
NEWSポストセブン
秋の園遊会で招待者と歓談される秋篠宮妃紀子さま(時事通信フォト)
《陽の光の下で輝く紀子さまの“レッドヘア”》“アラ還でもふんわりヘア”から伝わる御髪への美意識「ガーリーアイテムで親しみやすさを演出」
NEWSポストセブン
ニューヨークのイベントでパンツレスファッションで現れたリサ(時事通信フォト)
《マネはお勧めできない》“パンツレス”ファッションがSNSで物議…スタイル抜群の海外セレブらが見せるスタイルに困惑「公序良俗を考えると難しいかと」
NEWSポストセブン