芸能

松田優作 隣の家に引っ越しするほど原田芳雄に憧れていた

 7月19日、俳優の原田芳雄さん(享年71)が、上行結腸がんによる肺炎のため帰らぬ人となった。

 原田さんは1940年、東京の下町、足立区生まれ。1962年、俳優座養成所に入所した原田さんのスクリーンデビュー作は『復讐の歌が聞える』(1968年)での非情な復讐者。続く主演作の『反逆のメロディー』(1970年)では暴力団員を演じ、以来強烈な異彩を放ってきた。

 1970年代は、『竜馬暗殺』(1974年)などが原田さんを時代の寵児に押し上げ、1980年代は『陽炎座』(1981年)などで男の色香をたっぷり見せてくれた。真面目なほどに一途なのに、切ないほどに不真面目。“反逆のアウトロー”、そんな存在感に、観客は一秒たりとも目を離せなかった。

「松田優作や桃井かおりとは飲み仲間。特に優作さんは、原田さんの家の隣に引っ越しをするほど彼に憧れてました。桃井さんも“お兄ちゃん、お兄ちゃん”って慕ってました」(映画関係者)

 近年では、木村拓哉(38)、中居正広(38)、妻夫木聡(30)、宮沢りえ(38)といった面々の無骨な父親役を演じることも多かった。

 そんな原田さんは、最期のときまで役者であることを望んでいた。遺作となった『大鹿村騒動記』に懸ける思いも人一倍強かった。もともと、この映画は原田さんが自ら監督に“これをやりたいんだよ”と持ちかけた作品だった。

「昨年秋の撮影前には、共演者の大楠道代さんや石橋蓮司さんを自宅に招いて、お酒を飲みながら、この作品について夜更けまで熱く語らいあっていたみたいですよ。そのときの原田さんの熱意は凄まじいものだったそうです」(前出・映画関係者)

 それだけ賭けていた作品だっただけに、その命が途絶えそうになっても、何よりも大切にしていた。

「闘病が始まると、最初のころにひどい肺炎にかかって、人工呼吸器を付けたほうがいいとお医者さんからすすめられたんですが、原田さんは“一度付けたら、外せなくなる”といっては決して器具に頼ろうとしなかったそうです。呼吸が苦しくて言葉が発せない状況でも、“映画の舞台挨拶には死んでも行く”といってきかなかったようです。鬼気迫る勢いに誰も止められなかったそうです」(芸能関係者)

※女性セブン2011年8月4日号

関連記事

トピックス

オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト
10月16日午前、40代の女性歌手が何者かに襲われた。”黒づくめ”の格好をした犯人は現在も逃走を続けている
《ポスターに謎の“バツ印”》「『キャー』と悲鳴が…」「現場にドバッと血のあと」ライブハウス開店待ちの女性シンガーを “黒づくめの男”が襲撃 状況証拠が示唆する犯行の計画性
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(右の写真はサンプルです)
「熊に喰い尽くされ、骨がむき出しに」「大声をあげても襲ってくる」ベテラン猟師をも襲うクマの“驚くべき高知能”《昭和・平成“人食い熊”事件から学ぶクマ対策》
NEWSポストセブン
公金還流疑惑がさらに発覚(藤田文武・日本維新の会共同代表/時事通信フォト)
《新たな公金還流疑惑》「維新の会」大阪市議のデザイン会社に藤田文武・共同代表ら議員が総額984万円発注 藤田氏側は「適法だが今後は発注しない」と回答
週刊ポスト
初代優勝者がつくったカクテル『鳳鳴(ほうめい)』。SUNTORY WORLD WHISKY「碧Ao」(右)をベースに日本の春を象徴する桜を使用したリキュール「KANADE〈奏〉桜」などが使われている
《“バーテンダーNo.1”が決まる》『サントリー ザ・バーテンダーアワード2025』に込められた未来へ続く「洋酒文化伝承」にかける思い
NEWSポストセブン
“反日暴言ネット投稿”で注目を集める中国駐大阪総領事
「汚い首は斬ってやる」発言の中国総領事のSNS暴言癖 かつては民主化運動にも参加したリベラル派が40代でタカ派の戦狼外交官に転向 “柔軟な外交官”の評判も
週刊ポスト
黒島結菜(事務所HPより)
《いまだ続く朝ドラの影響》黒島結菜、3年ぶりドラマ復帰 苦境に立たされる今、求められる『ちむどんどん』のイメージ払拭と演技の課題 
NEWSポストセブン
超音波スカルプケアデバイスの「ソノリプロ」。強気の「90日間返金保証」の秘密とは──
超音波スカルプケアデバイス「ソノリプロ」開発者が明かす強気の「90日間全額返金保証」をつけられる理由とは《頭皮の気になる部分をケア》
NEWSポストセブン
公職上の不正行為および別の刑務所へ非合法の薬物を持ち込んだ罪で有罪評決を受けたイザベル・デール被告(23)(Facebookより)
「私だけを欲しがってるの知ってる」「ammaazzzeeeingggggg」英・囚人2名と“コッソリ関係”した美人刑務官(23)が有罪、監獄で繰り広げられた“愛憎劇”【全英がザワついた事件に決着】
NEWSポストセブン
三田寛子(時事通信フォト)
「あの嫁は何なんだ」「坊っちゃんが可哀想」三田寛子が過ごした苦労続きの新婚時代…新妻・能條愛未を“全力サポート”する理由
NEWSポストセブン
大相撲九州場所
九州場所「17年連続15日皆勤」の溜席の博多美人はなぜ通い続けられるのか 身支度は大変だが「江戸時代にタイムトリップしているような気持ちになれる」と語る
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 高市首相「12.26靖国電撃参拝」極秘プランほか
「週刊ポスト」本日発売! 高市首相「12.26靖国電撃参拝」極秘プランほか
NEWSポストセブン