ビジネス

同じ大卒でも大企業と中小企業では退職金の差が1200万円ある

 サラリーマンにとって退職金は老後の生活を支える「人生最後の砦」だ。公的年金への不安、医療・介護費の負担増など、高齢者を取り巻く経済的環境が厳しくなる中で、退職金への依存度は高まるばかり。

 が、そんな頼みの綱も年々痩せ細っている。最新データを検証すると、サラリーマンの「退職金危機」が浮き彫りになった。「年金博士」としておなじみの社会保険労務士・北村庄吾氏がいう。

「不況による業績悪化で企業の積み立てが不足していることと、運用の失敗が目減りの原因です。多くの企業は年5.5%の運用を前提とした適格退職年金制度を導入してきました。これは外部の生命保険会社や信託銀行が掛け金を運用して社員に退職金を給付する制度です。しかし、長引く市場の低迷で今は1%台まで落ち込んでいます」

 しかし、この変化に気付いているサラリーマンは少ない。企業は退職直前にならなければ詳しい説明をせず、社員の多くは会社の「退職金規程」さえ知らない。50代以下の社員は無関心でいることも多い。

 しかし、今や雇用が流動化し、転職や早期退職、出向が当たり前の時代である。フィデリティ退職・投資教育研究所が8000人の退職者に行なったアンケートによれば、約3割は60歳未満で退職金を受け取っている。厚労省調査の大卒平均2026万円という数字を見て安心するサラリーマンも多いだろうが、これはあくまで平均である。企業規模や業種によって退職金の格差は大きい。

 大企業と中小企業の大卒の金額を比べると、2443万円と1271万円で大きく異なる。大企業の中でも1400万円近い開きがある。まず自分の会社の退職金規程、もっといえば自分自身の受給額を調べることは基本中の基本だ。一方で、国家公務員は2467万円と非常に恵まれている。官僚の中には退職後の天下りで複数の法人をわたり歩き、その都度、高額の退職金を受け取るケースも少なくない。

※週刊ポスト2011年8月19・26日号

トピックス

オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト
10月16日午前、40代の女性歌手が何者かに襲われた。”黒づくめ”の格好をした犯人は現在も逃走を続けている
《ポスターに謎の“バツ印”》「『キャー』と悲鳴が…」「現場にドバッと血のあと」ライブハウス開店待ちの女性シンガーを “黒づくめの男”が襲撃 状況証拠が示唆する犯行の計画性
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(右の写真はサンプルです)
「熊に喰い尽くされ、骨がむき出しに」「大声をあげても襲ってくる」ベテラン猟師をも襲うクマの“驚くべき高知能”《昭和・平成“人食い熊”事件から学ぶクマ対策》
NEWSポストセブン
公金還流疑惑がさらに発覚(藤田文武・日本維新の会共同代表/時事通信フォト)
《新たな公金還流疑惑》「維新の会」大阪市議のデザイン会社に藤田文武・共同代表ら議員が総額984万円発注 藤田氏側は「適法だが今後は発注しない」と回答
週刊ポスト
初代優勝者がつくったカクテル『鳳鳴(ほうめい)』。SUNTORY WORLD WHISKY「碧Ao」(右)をベースに日本の春を象徴する桜を使用したリキュール「KANADE〈奏〉桜」などが使われている
《“バーテンダーNo.1”が決まる》『サントリー ザ・バーテンダーアワード2025』に込められた未来へ続く「洋酒文化伝承」にかける思い
NEWSポストセブン
“反日暴言ネット投稿”で注目を集める中国駐大阪総領事
「汚い首は斬ってやる」発言の中国総領事のSNS暴言癖 かつては民主化運動にも参加したリベラル派が40代でタカ派の戦狼外交官に転向 “柔軟な外交官”の評判も
週刊ポスト
黒島結菜(事務所HPより)
《いまだ続く朝ドラの影響》黒島結菜、3年ぶりドラマ復帰 苦境に立たされる今、求められる『ちむどんどん』のイメージ払拭と演技の課題 
NEWSポストセブン
超音波スカルプケアデバイスの「ソノリプロ」。強気の「90日間返金保証」の秘密とは──
超音波スカルプケアデバイス「ソノリプロ」開発者が明かす強気の「90日間全額返金保証」をつけられる理由とは《頭皮の気になる部分をケア》
NEWSポストセブン
公職上の不正行為および別の刑務所へ非合法の薬物を持ち込んだ罪で有罪評決を受けたイザベル・デール被告(23)(Facebookより)
「私だけを欲しがってるの知ってる」「ammaazzzeeeingggggg」英・囚人2名と“コッソリ関係”した美人刑務官(23)が有罪、監獄で繰り広げられた“愛憎劇”【全英がザワついた事件に決着】
NEWSポストセブン
三田寛子(時事通信フォト)
「あの嫁は何なんだ」「坊っちゃんが可哀想」三田寛子が過ごした苦労続きの新婚時代…新妻・能條愛未を“全力サポート”する理由
NEWSポストセブン
大相撲九州場所
九州場所「17年連続15日皆勤」の溜席の博多美人はなぜ通い続けられるのか 身支度は大変だが「江戸時代にタイムトリップしているような気持ちになれる」と語る
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 高市首相「12.26靖国電撃参拝」極秘プランほか
「週刊ポスト」本日発売! 高市首相「12.26靖国電撃参拝」極秘プランほか
NEWSポストセブン