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政治評論家が決める最強内閣は総理角栄、財務吉田、官房竹下

「政治主導」を掲げて政権交代を達成した民主党だが、蓋を開けてみれば「政治主導」の看板はどこかへ吹き飛んでしまっていた。政治が主導力を発揮するためには「田中角栄」流のリーダーとともに、それを支える強力な内閣の布陣も求められる。数々の困難を克服してきた昭和の政治家たちなら、どんな内閣が出来上がるのか。政治評論家の有馬晴海氏に“オールスター内閣”を考察してもらった。

 * * *
【内閣総理大臣】田中角栄
 吉田茂の築いた復興の道筋をさらに加速したリーダー。自動車関連税制などを次々実現。実行する勇気とアイデアをもつ。

【官房長官】 竹下登
 調整役として安定感がある。とぼけていながら、消費税導入や「ふるさと創生1億円」を実施するなどしたたか。

【財務大臣】吉田茂
 敗戦国日本にあって、アメリカを始めとする諸外国とわたり合い、戦後の経済発展の礎を築いた名宰相。これからの財政を任せたい。

【防衛大臣】中曽根康弘
 日米安保を基本に効率的な国家防衛を確立した。民主党政権下で希薄になった米国との関係改善をして欲しい。

【外務大臣】宮沢喜一
 事務処理能力に優れ、官僚操縦がうまい。アメリカとの交渉も長年担っていた。“中曽根防衛相”の補佐役として期待。

【総務大臣】大平正芳
 田園都市構想や家庭基盤の安定を打ち出すなど、文化重視の姿勢によって経済一辺倒の国家政策のバランスをとることを期待。

【国家戦略担当】池田勇人
 首相時代は「所得倍増」を実現した経済通。経済発展と財政健全化を〝吉田財務相〟と進めて欲しい。

【経済産業大臣】中曽根康弘
「効率的な国」を追求した手腕に期待。戦後日本の総決算として、「3公社」を民営化した実績など、行革担当にも推したい。

【厚生労働大臣】小泉純一郎
 厚生大臣当時、「65歳からの年金支給」を実現するなど、言いにくいことを言う姿勢に好感。小泉改革は政治改革の一里塚。

【沖縄担当大臣】佐藤栄作
 池田勇人の後を継いで7年半もの長期政権を維持した。ニクソン大統領と交渉し、沖縄返還に尽力した功績は大きい。

【復興担当大臣】田中角栄
 被災者の痛みが分かる、人間味溢れる「コンピュータ付きブルドーザー」として、東北の被災地を復活させて欲しい。

※SAPIO2011年9月14日号

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