スポーツ

DeNAベイ監督浮上の桑田氏 野村克也氏も復帰に太鼓判押した

二転三転の大騒動のあとに誕生することとなった横浜DeNAベイスターズだが、はやくもその監督人事に注目が集まっている。そこで浮上した、元巨人・桑田真澄氏の名前。ノンフィクション・ライターの神田憲行氏によれば、視野の広さというのが最近の監督トレンドであり、桑田氏はそれを「持っている」のだという。以下は、神田氏の解説である。

* * *
横浜DeNAベイスターズの監督候補に元巨人の桑田真澄氏が浮上しているとスポーツ・メディアが伝えている。もともと理論家で、現役引退後も早稲田大学大学院で一年間学んだほどの勉強家でもある。

楽天イーグルスの監督時代に桑田氏と会談した野村克也氏も、桑田氏について、「遊ばしておく、もったいないな。好きだね、あれは。野球が」と深く頷きながら印象を語っていたのを私は覚えている。

もっとも当時の桑田氏は再びユニフォームを着る可能について、「アメリカでも日本でもいくつかのチームからお話はいただいたんですが、まだ勉強不足なので……」と説明して、野村氏から「あんたが勉強不足なら、他のみんなも勉強不足や」と笑われていたが。

私が桑田氏が面白いと思うのは、巨人からいったん離れて、二年間米メジャーのパイレーツでプレーしていることだ。純粋培養でなく外の水を飲んでいる視野の広さがある。桑田氏自身も野村氏に「アメリカにいればいるほど、日本の素晴らしさがわかるんですよ」と説明していた。

視野の広さ、というのが最近の監督トレンドだと思う。

今季のセパのクライマックス・シリーズに進んだ六球団のうち、ソフトバンク・秋山監督、西武・渡辺監督、ヤクルト・小川監督に共通するのは二軍監督の経験がある、ということだ。日本ハム・梨田監督も近鉄時代に二軍監督から一軍監督に昇任し、リーグ優勝に導いている。

二軍監督をすると、埋もれている選手の発掘や若い選手の育成にも目が届くようになる。ヤクルト・小川監督がレギュラーシーズンに一度も起用していなかった山田哲人をいきなりクライマックス・シリーズで「1番・遊撃手」で抜擢したのはその好例だろう。

かつて監督はスター選手が横滑りで就任することが多かった。メディアでも取り上げられるし、集客効果もあると考えられたからだ。

しかしクライマックス・シリーズという制度が始まり、監督個人の人気に頼らなくても良くなった。シーズンで二位以内に入れば本拠地で試合ができて、十分な集客が期待できるからだ。表面的な人気より実力派監督が歓迎されるという本来の監督評価につながったともいえる。また外部からスター選手を呼んでくるより契約金も抑えることが出来る。

二軍監督の経験が無くても、中日・落合監督はキャンプで一・二軍の壁を払って「先入観」を払拭することにつとめ、大きな結果を残した。ひょっとしてスター選手で監督になり、結果を残せたは落合監督が最後になるかもしれない。

桑田氏にはぜひ挑戦して欲しい。


関連記事

トピックス

2011年に放送が開始された『ヒルナンデス!!』(HPより/時事通信フォト)
《日テレ広報が回答》ナンチャン続投『ヒルナンデス!』打ち切り報道を完全否定「終了の予定ない」、終了説を一蹴した日テレの“ウラ事情”
NEWSポストセブン
青森県東方沖地震を受けての中国の反応は…(時事通信フォト)
《完全な失敗に終わるに違いない》最大震度6強・青森県東方沖地震、発生後の「在日中国大使館」公式Xでのポスト内容が波紋拡げる、注目される台湾総統の“対照的な対応”
NEWSポストセブン
安福久美子容疑者(69)の高場悟さんに対する”執着”が事件につながった(左:共同通信)
《名古屋主婦殺害》「あの時は振ってごめんねって会話ができるかなと…」安福久美子容疑者が美奈子さんを“土曜の昼”に襲撃したワケ…夫・悟さんが語っていた「離婚と養育費の話」
NEWSポストセブン
卓球混合団体W杯決勝・中国-日本/張本智和(ABACA PRESS/時事通信フォト)
《日中関係悪化がスポーツにも波及》中国の会場で大ブーイングを受けた卓球の張本智和選手 中国人選手に一矢報いた“鬼気迫るプレー”はなぜ実現できたのか?臨床心理士がメンタルを分析
NEWSポストセブン
数年前から表舞台に姿を現わさないことが増えた習近平・国家主席(写真/AFLO)
執拗に日本への攻撃を繰り返す中国、裏にあるのは習近平・国家主席の“焦り”か 健康不安説が指摘されるなか囁かれる「台湾有事」前倒し説
週刊ポスト
《悠仁さまとの差》宮内庁ホームページ“愛子内親王殿下のご活動”の項目開設に「なぜこんなに遅れたのか」の疑問 皇室記者は「当主の意向が反映されるとされます」
《悠仁さまとの差》宮内庁ホームページ“愛子内親王殿下のご活動”の項目開設に「なぜこんなに遅れたのか」の疑問 皇室記者は「当主の意向が反映されるとされます」
週刊ポスト
優勝パレードでは終始寄り添っていた真美子夫人と大谷翔平選手(キルステン・ワトソンさんのInstagramより)
《大谷翔平がWBC出場表明》真美子さん、佐々木朗希の妻にアドバイスか「東京ラウンドのタイミングで顔出ししてみたら?」 日本での“奥様会デビュー”計画
女性セブン
パーキンソン病であることを公表した美川憲一
《美川憲一が車イスから自ら降り立ち…》12月の復帰ステージは完売、「洞不全症候群」「パーキンソン病」で活動休止中も復帰コンサートに懸ける“特別な想い”【ファンは復帰を待望】 
NEWSポストセブン
「交際関係とコーチ契約を解消する」と発表した都玲華(Getty Images)
女子ゴルフ・都玲華、30歳差コーチとの“禁断愛”に両親は複雑な思いか “さくらパパ”横峯良郎氏は「痛いほどわかる」「娘がこんなことになったらと考えると…」
週刊ポスト
話題を呼んだ「金ピカ辰己」(時事通信フォト)
《オファーが来ない…楽天・辰己涼介の厳しいFA戦線》他球団が二の足を踏む「球場外の立ち振る舞い」「海外志向」 YouTuber妻は献身サポート
NEWSポストセブン
海外セレブも愛用するアスレジャースタイル(ケンダル・ジェンナーのInstagramより)
「誰もが持っているものだから恥ずかしいとか思いません」日本の学生にも普及する“カタチが丸わかり”なアスレジャー オフィスでは? マナー講師が注意喚起「職種やTPOに合わせて」
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「旧統一教会から返金され30歳から毎月13万円を受け取り」「SNSの『お金配ります』投稿に応募…」山上徹也被告の“経済状況のリアル”【安倍元首相・銃撃事件公判】
NEWSポストセブン