ライフ

広がる年金不安に専門家「破綻しない、納めた方が得」と断言

「私の年金、本当にもらえるのでしょうか?」

 年金セミナーを各地で開いている社会保険労務士・東海林正昭さんが、セミナーで参加者からよく聞かれる質問がこれ。年金への不安が、大きく広がっている証左といえる。

 記憶に新しいのは、5000万件もの記録ミスが発覚した2007年の「消えた年金問題」。その後、雇用情勢の悪化が拍車をかけて国民年金の未納率はどんどん上昇し、2010年度には40.7%と過去最悪の水準を更新した。近い将来、現役世代が高齢者を支え切れなくなり、年金制度そのものが破綻するのでは――といった憶測まで呼んでいる。

「なかには、“年金はどうせもらえないから、保険料は納めないほうがいいのでは”というかたまでいます。年金制度に不信感をもち、年金保険料を払うだけ損という考えのようです」(東海林さん)

 だが、東海林さんは、「年金は破綻しない」ときっぱり答える。

「サラリーマンが加入する厚生年金は、給料から強制的に天引きされる形。なので、サラリーマンに未納というのはあり得ません。未納率4割と聞くと驚きますが、これはあくまで国民年金の話。年金加入者全体から見れば、5%程度にすぎないのです」(東海林さん)

 特定社会保険労務士の長沢有紀さんも、「年金は納めたほうが得」という立場をとる。

「年金は、現役時代に納めた保険料が大きければ大きいほど、老後にもらえるリターンも大きくなる。国民年金の場合、現在の水準で保険料を20才から60才まで満期の40年間払い続けると、払込総額は約720万円。

 これに対して65才から受け取れる年金額は、年間約80万円になります。つまり、年金をもらってから9年間で元がとれます。そして、女性の平均寿命の86才まで生きたとすると総額は約1680万円となり、2倍以上に増える計算。年金を納めたほうが圧倒的に得です」(長沢さん)

※女性セブン2012年6月14日号

関連記事

トピックス

昭和館を訪問された天皇皇后両陛下と長女・愛子さま(2025年12月21日、撮影/JMPA)
天皇ご一家が戦後80年写真展へ 哀悼のお気持ちが伝わるグレーのリンクコーデ 愛子さまのジャケット着回しに「参考になる」の声も
NEWSポストセブン
訃報が報じられた、“ジャンボ尾崎”こと尾崎将司さん(時事通信フォト)
《ジャンボ尾崎さん死去》伝説の“習志野ホワイトハウス豪邸”にランボルギーニ、名刀18振り、“ゴルフ界のスター”が貫いた規格外の美学
NEWSポストセブン
西東京の「親子4人死亡事件」に新展開が──(時事通信フォト)
《西東京市・親子4人心中》「奥さんは茶髪っぽい方で、美人なお母さん」「12月から配達が止まっていた」母親名義マンションのクローゼットから別の遺体……ナゾ深まる“だんらん家族”を襲った悲劇
NEWSポストセブン
シーズンオフを家族で過ごしている大谷翔平(左・時事通信フォト)
《お揃いのグラサンコーデ》大谷翔平と真美子さんがハワイで“ペアルックファミリーデート”、目撃者がSNS投稿「コーヒーを買ってたら…」
NEWSポストセブン
愛子さまのドレスアップ姿が話題に(共同通信社)
《天皇家のクリスマスコーデ》愛子さまがバレエ鑑賞で“圧巻のドレスアップ姿”披露、赤色のリンクコーデに表れた「ご家族のあたたかな絆」
NEWSポストセブン
1年時に8区の区間新記録を叩き出した大塚正美選手は、翌年は“花の2区”を走ると予想されていたが……(写真は1983年第59回大会で2区を走った大塚選手)
箱根駅伝で古豪・日体大を支えた名ランナー「大塚正美伝説」〈3〉元祖“山の大魔神”の記録に挑む5区への出走は「自ら志願した」
週刊ポスト
12月中旬にSNSで拡散された、秋篠宮さまのお姿を捉えた動画が波紋を広げている(時事通信フォト)
〈タバコに似ているとの声〉宮内庁が加湿器と回答したのに…秋篠宮さま“車内モクモク”騒動に相次ぐ指摘 ご一家で「体調不良」続いて“厳重な対策”か
硫黄島守備隊指揮官の栗林忠道・陸軍大将(写真/AFLO)
《戦後80年特別企画》軍事・歴史のプロ16人が評価した旧日本軍「最高の軍人」ランキング 1位に選出されたのは硫黄島守備隊指揮官の栗林忠道・陸軍大将
週刊ポスト
米倉涼子の“バタバタ”が年を越しそうだ
《米倉涼子の自宅マンションにメディア集結の“真相”》恋人ダンサーの教室には「取材お断り」の張り紙が…捜査関係者は「年が明けてもバタバタ」との見立て
NEWSポストセブン
死体遺棄・損壊の容疑がかかっている小原麗容疑者(店舗ホームページより。現在は削除済み)
「人形かと思ったら赤ちゃんだった」地雷系メイクの“嬢” 小原麗容疑者が乳児遺体を切断し冷凍庫へ…6か月以上も犯行がバレなかったわけ 《錦糸町・乳児遺棄事件》
NEWSポストセブン
11月27日、映画『ペリリュー 楽園のゲルニカ』を鑑賞した愛子さま(時事通信フォト)
愛子さま「公務で使った年季が入ったバッグ」は雅子さまの“おさがり”か これまでも母娘でアクセサリーや小物を共有
NEWSポストセブン
ネックレスを着けた大谷がハワイの不動産関係者の投稿に(共同通信)
《ハワイでネックレスを合わせて》大谷翔平の“垢抜け”は「真美子さんとの出会い」以降に…オフシーズンに目撃された「さりげないオシャレ」
NEWSポストセブン