国内

鬼女の住谷杏奈叩き パン疑惑はそこまで罵倒されるほどか

 数年前からネット上で激しい個人攻撃や個人情報の暴露を繰り返し、その凄まじい攻撃力で恐れられているのが、“ネット自警団”の一角を占める「鬼女」と呼ばれる集団だ。事情に詳しい人気ブロガー・山本一郎氏が論じる。

 * * *
 滋賀県大津市で起きたいじめ自殺事件は、ワイドショーや週刊誌で派手に報じられたが、ネット上ではそれを上回る過剰反応が起きた。

「(事件当時)加害生徒の母親は学校のPTA会長だった」といった情報が駆け巡り、加害生徒やその関係者の実名や素性の暴露合戦が起こった。それがエスカレートして、関係者と間違えて事件とは無関係な人々の個人情報を晒して誹謗中傷するという“誤爆”が繰り返されたのだ。

 そうしたデマにデヴィ夫人が釣られ、自分のブログで別人の写真と名前を公開して「とんでもないのが母親」と非難したため、炎上。間違えられた女性から損害賠償を求められ、提訴される事態に発展した。

 こうした行為で知られているのが「鬼女」だ。主に主婦を対象とした2ちゃんねるの「既婚女性板」に集まり、ワイドショーのネタなどをテーマとしたスレッドで誹謗中傷や罵倒を繰り返す人々である。

 例えば、「【河本梶原】吉本生活保護芸人もろとけばいいんや」「【乞食】渡辺美奈代【無職旦那と義援金詐欺】」「【卵子購入】野田聖子51歳【躾まで看護師任せ】」といったスレッドを立て、名前を挙げた人物を容赦なく叩く。その書き込み内容の激しさから「既女」が転じて「鬼女」と呼ばれるようになった。

 存在が広く知られるようになったのは、2008年にタレントの泰葉がブログで元夫の春風亭小朝を「金髪豚野郎」と罵倒したことに対して起こった泰葉バッシングがきっかけだった。その後、皇太子妃雅子様に対する誹謗中傷が盛り上がるなかで、徐々に鬼女クラスター(集合体)が成立した。

 鬼女の特質を表わす例として象徴的なのが、レイザーラモンHGの妻で元グラドルの住谷杏奈に対するバッシングだ。

 5年近く前に「市販のロールパンを手作りだと偽ってブログに載せた」という、どうでもいい疑惑を発端にして“祭り”が始まり、過去の出演番組やブログ上での稚拙な発言をあげつらい、罵詈雑言の嵐が吹き荒れた。2009年の最盛期には、80もの住谷関連スレッドが立ったほどである。

 しかし、どれもこれもそこまで罵倒されなければならないような過ちではなく、住谷本人もいたって普通の女性のように思えるのだが、鬼女たちの“正義感”に火をつける何かがあるようだ。そのため、いまだに関連スレッドが立ち、バッシングが続いている。この執拗さが鬼女ならではだ。

 ネット上では「鬼女は“祭り”が始まるとネットに常駐するため、大量にカレーを作り、数日間夫や子供に食べさせる」という話が広く流通している。真偽不明だが、それほど鬼女は執念深いことを物語るエピソードである。

※SAPIO2012年10月3・10日号

トピックス

全国でクマによる被害が相次いでいる(AFLO/時事通信フォト)
「“穴持たず”を見つけたら、ためらわずに撃て」猟師の間で言われている「冬眠しない熊」との対峙方法《戦前の日本で発生した恐怖のヒグマ事件》
NEWSポストセブン
韓国のガールズグループ「AFTERSCHOOL」の元メンバーで女優のNANA(Instagramより)
《ほっそりボディに浮き出た「腹筋」に再注目》韓国アイドル・NANA、自宅に侵入した強盗犯の男を“返り討ち”に…男が病院に搬送  
NEWSポストセブン
ラオスに到着された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月17日、撮影/横田紋子)
《初の外国公式訪問》愛子さま、母・雅子さまの“定番”デザインでラオスに到着 ペールブルーのセットアップに白の縁取りでメリハリのある上品な装い
NEWSポストセブン
ドジャース入団時、真美子さんのために“結んだ特別な契約”
《スイートルームで愛娘と…》なぜ真美子さんは夫人会メンバーと一緒に観戦しないの? 大谷翔平がドジャース入団時に結んでいた“特別な契約”
NEWSポストセブン
山上徹也被告の公判に妹が出廷
「お兄ちゃんが守ってやる」山上徹也被告が“信頼する妹”に送っていたメールの内容…兄妹間で共有していた“家庭への怒り”【妹は今日出廷】
NEWSポストセブン
靖国神社の春と秋の例大祭、8月15日の終戦の日にはほぼ欠かさず参拝してきた高市早苗・首相(時事通信フォト)
高市早苗・首相「靖国神社電撃参拝プラン」が浮上、“Xデー”は安倍元首相が12年前の在任中に参拝した12月26日か 外交的にも政治日程上も制約が少なくなるタイミング
週刊ポスト
相撲協会の公式カレンダー
《大相撲「番付崩壊時代のカレンダー」はつらいよ》2025年は1月に引退の照ノ富士が4月まで連続登場の“困った事態”に 来年は大の里・豊昇龍の2横綱体制で安泰か 表紙や売り場の置き位置にも変化が
NEWSポストセブン
三重県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年11月8日、撮影/JMPA)
《季節感あふれるアレンジ術》雅子さまの“秋の装い”、トレンドと歴史が組み合わさったブラウンコーデがすごい理由「スカーフ1枚で見違えるスタイル」【専門家が解説】
NEWSポストセブン
俳優の仲代達矢さん
【追悼】仲代達矢さんが明かしていた“最大のライバル”の存在 「人の10倍努力」して演劇に人生を捧げた名優の肉声
週刊ポスト
10月16日午前、40代の女性歌手が何者かに襲われた。”黒づくめ”の格好をした犯人は現在も逃走を続けている
《ポスターに謎の“バツ印”》「『キャー』と悲鳴が…」「現場にドバッと血のあと」ライブハウス開店待ちの女性シンガーを “黒づくめの男”が襲撃 状況証拠が示唆する犯行の計画性
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(右の写真はサンプルです)
「熊に喰い尽くされ、骨がむき出しに」「大声をあげても襲ってくる」ベテラン猟師をも襲うクマの“驚くべき高知能”《昭和・平成“人食い熊”事件から学ぶクマ対策》
NEWSポストセブン
オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト