国内

フジTV6月に600件超の人事異動「あと10年はダメ」と局内の声

 テレビがますますつまらなくなっている。それもそのはず、現場では、いかにカネをかけずに番組を作るかが最優先なのだ。現場スタッフがテレビ業界の実態を語り合った。

日本テレビ系報道番組ディレクターA:今年のテレビ業界最大のニュースはテレビ朝日が4月クール(4月2日~7月1日)の3か月平均視聴率で初めて4冠王(全日、ゴールデン、プライム、プライム2)を獲ったこと。開局以来初の快挙だった。

フジテレビ系ドラマ番組プロデューサーB:昨年、フジテレビは年間視聴率3冠を8年ぶりに日本テレビに奪われ、今年はまさかのテレビ朝日にも抜かれて3位。おかげで6月には600件を超える人事異動が行なわれ、秋の改編では打ち切られる番組が続出した。局内でもあと10年はダメかなという声が出ています。

テレビ朝日系バラエティー番組プロデューサーC:うちだって大変ですよ。開局以来初の年間視聴率1位を目指してムチが入りっ放し。秋から年末に向けて3時間特番をバンバン打っていく方針です。今年逃せば無理でしょうからね。

フジB:たしかに番組制作がうまくいったというだけではなくて、フィギュアスケートやW杯アジア最終予選などのスポーツ中継が当たったのが大きかったよね。宝くじに当たったようなもの。

日テレA:とはいえ、テレビ朝日はカネをかけずに数字を稼ぐのがうまい。夕方に再放送している水谷豊主演のドラマ『相棒』が主婦層に人気で、そこでチャンネルを合わせるとそのまま夕方のニュースの時間帯に突入しているとウチでは分析している。

フジB:視聴率は朝6時から深夜0時までが対象となる。ゴールデンに新作ドラマで10%稼ぐのも、夕方に再放送で10%稼ぐのも同じですからね。

テレ朝C:再放送だけでなく、『相棒』は成宮寛貴を加えて新シリーズが始まった。ウチは守りに入っているので現行番組の継続が基本路線となるのも仕方ないが、他局も大幅改編といいながら往年の名番組が復活しているだけじゃないですか。お互い様でもあるけど制作現場のアイディアのなさが目立ちますね。

日テレA:フジは『料理の鉄人』を『アイアンシェフ』に番組名を替えただけだし、日本テレビも最高視聴率31.6%を記録した『マジカル頭脳パワー‼』が『快脳!マジかるハテナ』として復活する。BS-TBSの『それがしりたい~ニッポンおもしろいネ~』は『そこが知りたい』のリメイク。

 たしかにいい企画がないこともあって、バラエティーも焼き直しが目立つが、背景にあるのはテレビ朝日との熾烈な視聴率争い。新番組はホームランもあれば三振もありえる。リスクを避けて過去のヒット番組で視聴率を確保するのが狙い。これでコケたら大変です。

フジB:どれも終わるべくして終わった番組だけに、視聴者もバカじゃないと思うけどね。アイディア不足がここまで来たかという感じ。ただ、ある程度の数字が取れれば、来年以降もリメイク番組が増えるだろうけどね。

※SAPIO2012年12月号

関連記事

トピックス

10月22日、殺人未遂の疑いで東京都練馬区の国家公務員・大津陽一郎容疑者(43)が逮捕された(時事通信フォト/共同通信)
《赤坂ライブハウス刺傷》「2~3日帰らないときもあったみたいだけど…」家族思いの妻子もち自衛官がなぜ”待ち伏せ犯行”…、親族が語る容疑者の人物像とは
NEWSポストセブン
ミセス・若井(左、Xより)との“通い愛”を報じられたNiziUのNINA(右、Instagramより)
《ミセス若井と“通い愛”》「嫌なことや、聞きたくないことも入ってきた」NiziU・NINAが涙ながらに吐露した“苦悩”、前向きに披露した「きっかけになったギター演奏」
NEWSポストセブン
「ラオ・シルク・レジデンス」を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
「華やかさと品の良さが絶妙」愛子さま、淡いラベンダーのワンピにピンクのボレロでフェミニンなコーデ
NEWSポストセブン
クマ被害で亡くなった笹崎勝巳さん(左・撮影/山口比佐夫、右・AFP=時事)
《笹崎勝巳レフェリー追悼》プロレス仲間たちと家族で送った葬儀「奥さんやお子さんも気丈に対応されていました」、クマ襲撃の現場となった温泉施設は営業再開
NEWSポストセブン
役者でタレントの山口良一さん
《笑福亭笑瓶さんらいなくなりリポーターが2人に激減》30年以上続く長寿番組『噂の!東京マガジン』存続危機を乗り越えた“楽屋会議”「全員でBSに行きましょう」
NEWSポストセブン
11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《いろんな裏切りもありました…》前田健太投手の妻・早穂夫人が明かした「交渉に同席」、氷室京介、B’z松本孝弘の妻との華麗なる交友関係
NEWSポストセブン
高市早苗氏が首相に就任してから1ヶ月が経過した(時事通信フォト)
高市早苗首相への“女性からの厳しい指摘”に「女性の敵は女性なのか」の議論勃発 日本社会に色濃く残る男尊女卑の風潮が“女性同士の攻撃”に拍車をかける現実
女性セブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《1日で1000人以上と関係を持った》金髪美女インフルエンサーが予告した過激ファンサービス… “唾液の入った大量の小瓶”を配るプランも【オーストラリアで抗議活動】
NEWSポストセブン
日本全国でこれまでにない勢いでクマの出没が増えている
《猟友会にも寄せられるクレーム》罠にかかった凶暴なクマの映像に「歯や爪が悪くなってかわいそう」と…クレームに悩む高齢ベテランハンターの“嘆き”とは
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
六代目山口組が住吉会最高幹部との盃を「突然中止」か…暴力団や警察関係者に緊張が走った竹内照明若頭の不可解な「2度の稲川会電撃訪問」
NEWSポストセブン
警視庁赤坂署に入る大津陽一郎容疑者(共同通信)
《赤坂・ライブハウス刺傷で現役自衛官逮捕》「妻子を隠して被害女性と“不倫”」「別れたがトラブルない」“チャリ20キロ爆走男” 大津陽一郎容疑者の呆れた供述とあまりに高い計画性
NEWSポストセブン
無銭飲食を繰り返したとして逮捕された台湾出身のインフルエンサーペイ・チャン(34)(Instagramより)
《支払いの代わりに性的サービスを提案》米・美しすぎる台湾出身の“食い逃げ犯”、高級店で無銭飲食を繰り返す 「美食家インフルエンサー」の“手口”【1か月で5回の逮捕】
NEWSポストセブン