ビジネス

会社員も急な仕事のタクシー利用は必要経費控除できるように

 大増税時代の到来である。東日本大震災からの復興財源に充てるため、今年1月から所得税、来年6月から住民税の臨時増税が始まる。消費税は来年4月から8%に、再来年10月から10%に上がり、富裕層を対象とした所得税と相続税の最高税率も再来年1月から引き上げられる予定だ。さらに、安倍政権は公共事業のバラマキ政策を復活させており、財源確保のためにさらなる増税も予測される。

 このままではお上に年貢を搾り取られる一方、何とか対抗する手段はないのか。実は、サラリーマンが税金面で得する方法が新しくできたことはあまり知られていない。それは昨年、税制改正された給与所得者の「特定支出控除」制度である。

 簡単にいうと、仕事に関連して使った必要経費を確定申告することによって、払いすぎた税金を取り戻すことが可能になったのだ。

 来年2月の申告から適用されるが、その際、今年1月1日から12月31日までに使った費用の領収証やレシートが必要となる。つまり、今から税制の改正ポイントを的確に把握し、それらを集めておかないと、このウマ味を味わえない。

 では、実際にどのような項目が必要経費として認められるのか。法律の条文を読むだけでは、適用、非適用の境目がわからず、また、改正された「特定支出控除」は来年の確定申告で初めて適用されるので、過去の事例もない。

 そこで、本誌は専門家の解釈や国税庁の資料の記述を参考に、それらについて具体的に分析した。

【通勤費】
 基本的には、通勤にかかった交通費のうち、会社が支給・補助している交通費を超える分が必要経費として認められることになる。

 たとえば、急な仕事が入り、やむなくタクシーを利用して会社までいかざるをえなかったケースは該当すると考えられる。ただし、通勤以外で顧客回りなどの業務に使った交通費は認められない。電車賃やバス代、タクシー代、新幹線の特急料金は認められるが、航空券や特別車両(グリーン)料金は認められない。

 自動車通勤の場合、燃料費、有料道路の料金だけでなく、修理代も対象になる。ただし、故意や重大な過失によって生じた事故に係る修理代は適用外だ。

【資格取得費、研修費】
 税理士の落合孝裕氏はこう説明する。

「これは従来の制度でも認められていましたが、経理担当者が簿記の資格を取ったり、海外と頻繁にやり取りをする部署や外国人がいる部署の人が英検やTOEICを受験したりするために英語学校に通うなど業務に関わる資格を取得する費用は適用対象になる。受講料だけでなく、試験代、交通費なども含まれると考えていいでしょう」

 ちなみに、以前は資格を取ることによって、法律で決められた特定の業務を扱える弁護士や公認会計士、税理士などの資格を取得する費用は範囲から除かれていたが、改正で新たに対象になった。社会人をしながら取れると人気の社会保険労務士の取得にも適用されるので一考の価値がある。

※週刊ポスト2013年2月1日号

トピックス

優勝パレードでは終始寄り添っていた真美子夫人と大谷翔平選手(キルステン・ワトソンさんのInstagramより)
《大谷翔平がWBC出場表明》真美子さん、佐々木朗希の妻にアドバイスか「東京ラウンドのタイミングで顔出ししてみたら?」 日本での“奥様会デビュー”計画
女性セブン
遠藤敬・維新国対委員長に公金還流疑惑(時事通信フォト)
《自維連立のキーマンに重大疑惑》維新国対委員長の遠藤敬・首相補佐官に秘書給与800万円還流疑惑 元秘書の証言「振り込まれた給料の中から寄付する形だった」「いま考えるとどこかおかしい」
週刊ポスト
「交際関係とコーチ契約を解消する」と発表した都玲華(Getty Images)
女子ゴルフ・都玲華、30歳差コーチとの“禁断愛”に両親は複雑な思いか “さくらパパ”横峯良郎氏は「痛いほどわかる」「娘がこんなことになったらと考えると…」
週刊ポスト
素材はピカイチとされたが…
【オコエ瑠偉が巨人を電撃退団】「阿部監督一強体制」で反発は許されなかったか メジャー移籍は厳しい現実、“ランクを下げながら海外移籍を模索”のシナリオも
週刊ポスト
話題を呼んだ「金ピカ辰己」(時事通信フォト)
《オファーが来ない…楽天・辰己涼介の厳しいFA戦線》他球団が二の足を踏む「球場外の立ち振る舞い」「海外志向」 YouTuber妻は献身サポート
NEWSポストセブン
高市早苗首相の「台湾有事」発言以降、日中関係の悪化が止まらない(時事通信フォト)
《高市首相の”台湾有事発言”で続く緊張》中国なしでも日本はやっていける? 元家電メーカー技術者「中国製なしなんて無理」「そもそも日本人が日本製を追いつめた」
NEWSポストセブン
海外セレブも愛用するアスレジャースタイル(ケンダル・ジェンナーのInstagramより)
「誰もが持っているものだから恥ずかしいとか思いません」日本の学生にも普及する“カタチが丸わかり”なアスレジャー オフィスでは? マナー講師が注意喚起「職種やTPOに合わせて」
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「旧統一教会から返金され30歳から毎月13万円を受け取り」「SNSの『お金配ります』投稿に応募…」山上徹也被告の“経済状況のリアル”【安倍元首相・銃撃事件公判】
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《バリ島でへそ出しトップスで若者と密着》お騒がせ金髪美女インフルエンサー(26)が現地警察に拘束されていた【海外メディアが一斉に報じる】
NEWSポストセブン
大谷が語った「遠征に行きたくない」の真意とは
《真美子さんとのリラックス空間》大谷翔平が「遠征に行きたくない」と語る“自宅の心地よさ”…外食はほとんどせず、自宅で節目に味わっていた「和の味覚」
NEWSポストセブン
2021年に裁判資料として公開されたアンドルー王子、ヴァージニア・ジュフリー氏の写真(時事通信フォト)
《約200枚の写真が一斉に》米・エプスタイン事件、未成年少女ら人身売買の“現場資料”を下院監視委員会が公開 「顧客リスト」開示に向けて前進か
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 維新の首相補佐官に「秘書給与ピンハネ」疑惑ほか
「週刊ポスト」本日発売! 維新の首相補佐官に「秘書給与ピンハネ」疑惑ほか
NEWSポストセブン