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相続税を払うのは4%の富裕層 増税も大多数の人には関係ない

 税制が改正され、相続税が大幅にアップする。相続税免除となるボーダーラインが下がるほか、税率も上がってしまう。

 都内で娘夫婦と暮らす70代の女性Aさんは、特に資産家でもなく、遺産で残せるものといえば、自宅とわずかな預金ぐらい。普段は年金でつましい暮らしを送っている。今までは「相続税なんて、雲の上の人の話」とまったく気にしていなかったが、最近のニュースを見て不安になったという。

「子供が1人。相続のときに、免除してもらえる税金の上限が4割も減ったら、娘は何百万円も相続税を負担することになるのでは…」(Aさん)

 相続人が子供1人の場合の基礎控除は3600万円。確かに、自宅が都内にあれば、不動産だけでオーバーしてしまいそうだ。今後は本当にAさんのような庶民的な財産の持ち主でさえ、相続税の対象になるのだろうか?

「現金と違い、不動産は時価よりも2~3割安く評価されます。時価5000万円の物件でも、相続における評価額は4000万円弱ということが多いですね。

 さらに親と同居していた子供が相続する場合、その家の土地の評価額を80%減額できる特例制度(面積制限あり)があります。家の土地の評価額が4000万円だった場合、その制度を使うと800万円とみなされます。よほどの豪邸でない限り、相続税はかからないですね」

 と話すのは、マックス総合税理士法人の武石竜さん。夢相続代表で、公認不動産コンサルティングマスター相続対策専門士の曽根恵子さんもこう言う。

「現行で、相続税がかかる対象になるのは総資産が1億円以上あるような富裕層ばかりで、亡くなった人の4%程度しかいません。改正後は確かに相続税がかかってくる人が増えますが、それでも6~8%程度とみられています」

 つまり、改正後も大多数の人にとっては、これまで通り、「うちには関係ない話」と思っていてほぼ問題ない。

※女性セブン2013年5月2日号

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