芸能

『Woman』『スターマン』らひとり親家庭のドラマ増加の背景

『Woman』(日本テレビ系)の満島ひかり(27才)と『スターマン・この星の恋』(フジテレビ系)の広末涼子(33才)は、シングルマザー。『Oh,My Dad!!』(フジテレビ系)の織田裕二(45才)はシングルファザー。今期のドラマには、子供を抱えて奮闘するひとり親家庭が多く登場している。

 この傾向について、放送評論家の松尾羊一さんはこう語る。

「テレビドラマは、現実を映し出します。1960年代の高度経済成長期は3世代同居の大家族や“頑張る母さん”が主役のホームドラマが主流でした。大家族が幻想になった1970年代には家族のリアリティーを追求した『岸辺のアルバム』(TBS)などがヒット。

 1980年代半ば以降は、家族ではなく恋愛や自立した女性の物語をテレビは描いてきました。それが今、ひとり親家庭のドラマが多くラインナップされているということは、さまざまな家族があると認知されている証でしょう」

 現実にも、日本人の家族観にかかわる問題について、大きな変化が訪れようとしている。“婚外子は、婚内子の遺産相続の半分”という規定が、変わる可能性が出てきたのだ。

 7月10日、最高裁判所大法廷(竹崎博允裁判長)は、「遺産相続で、婚外子の取り分を、婚内子の半分とする民法900条の規定は、法の下の平等を定めた憲法14条に反するのではないか」と争われている2件の裁判について、婚外子側と婚内子側双方から意見を聞く弁論を開いた。

 婚内子とは婚姻届を出している男女に生まれた子供のことを指し、婚外子は、事実婚など法律上の婚姻関係にない男女の間の子のことをいう。

 最高裁はこの前述の規定に対し、1995年以来「合憲」と判断していたが、早ければこの秋にも見直され、婚外子の相続差別について「違憲」となる可能性が高まったのだ。

 閉廷後の会見で、2001年に父親が死去した後、調停を求めた和歌山の婚外子女性(40代)は、次のように語った。

「私の価値は2分の1しかないのかと、疑問に感じてきました。規定は時代遅れ。みんな平等だと示してほしい」

 一方、婚内子の女性は代理人を通じて談話を発表した。「正妻である母と私たちは、相手方らによって幸せな家庭を壊され、40年間精神的な苦痛に耐えて生きてきました。相続において平等に扱うことには絶対に反対です」

 子供は親を選べない。婚外子とひと口にいっても、“父”と“母”の関係や、その子供の人生は千差万別だが、今の日本ではまだ、背負わされた十字架は充分すぎるほど重い。それが現在は、親の死後、相続の問題となっていや増すのだ。

 同時に“子に責任はない”と理屈ではわかっていても、絶対に消えない「割り切れない気持ち」を配偶者や婚内子も、胸に抱えている。

※女性セブン2013年8月8日号

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