スポーツ

もし江川卓が高卒で阪急に入団した場合のプロ通算成績を算出

 もしプロ野球の名選手が、実際とは少し違う人生を歩んでいたらどうなっていただろうか。『プロ野球なんでもランキング』(イースト・プレス刊)著者・広尾晃氏の協力の元、作新学院在学当時に「怪物」と呼ばれた江川卓が、もし高校時点でプロ入りしていたらいかなる活躍をしていたかのシミュレーションをしてみた。

 1973年秋、作新学院のエース・江川卓は、ドラフトで阪急から1位指名を受けた。しかし拒否して大学に進学。米国留学を経て、有名な「空白の1日」で巨人に入団した。

「怪物」といわれた時点から、すでに5年の月日が経っていたわけだが、あの時、素直に阪急に入団していれば、どんな活躍ができただろうか。

 根拠とする数字がないため、「球が一番速かったのは高2の秋」という本人の言葉を信じ、大学時代はそれに準ずるとして算出した。

 1973年のドラフトで阪急ブレーブスに入団したと想定し、1979年は巨人へ移籍。1979年から1987年までは実際の成績の数字と考えた。1988年以降も現役を続け、37歳で現役を引退したと仮定している。

 その結果、通算538試合で276勝156敗となり勝利数は“鉄腕”稲尾和久と並ぶ歴代8位タイ。奪三振も2755で同じく歴代8位。十分、名球会への入会資格のある大投手となった。分析を担当した広尾氏が語る。

「空白の1日のような形で入団しなければ、引退が5年は伸びたと想定、37歳まで続けたとする。ピークだった高校時代から、5年間奪三振王になると想定して数字を算定しました」

 当時の阪急は福本豊、加藤秀司、マルカーノといった打線が全盛で、1975年からパ・リーグ4連覇も果たした強豪チーム。

「阪急が強かったのでいい数字を残しています。ただ当時のパ・リーグは山田久志と鈴木啓示の全盛期でもあり、最多勝のタイトルには恵まれなかった」(広尾氏)

 気になるのは巨人に移籍する際、史実同様、小林繁がトレードに出されないかどうかだが……。

※週刊ポスト2014年1月31日号

関連記事

トピックス

夜の街にも”台湾有事発言”の煽りが...?(時事通信フォト)
《“訪日控え”で夜の街も大ピンチ?》上野の高級チャイナパブに波及する高市発言の影響「ボトルは『山崎』、20万〜30万円の会計はざら」「お金持ち中国人は余裕があって安心」
NEWSポストセブン
東京デフリンピックの水泳競技を観戦された天皇皇后両陛下と長女・愛子さま(2025年11月25日、撮影/JMPA)
《手話で応援も》天皇ご一家の観戦コーデ 雅子さまはワインレッド、愛子さまはペールピンク 定番カラーでも統一感がある理由
NEWSポストセブン
大谷と真美子さんを支える「絶対的味方」の存在とは
《ドッグフードビジネスを展開していた》大谷翔平のファミリー財団に“協力するはずだった人物”…真美子さんとも仲良く観戦の過去、現在は“動向がわからない”
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「金の無心をする時にのみ連絡」「断ると腕にしがみついて…」山上徹也被告の妹が証言した“母へのリアルな感情”と“家庭への絶望”【安倍元首相銃撃事件・公判】
NEWSポストセブン
被害者の女性と”関係のもつれ”があったのか...
《赤坂ライブハウス殺人未遂》「長男としてのプレッシャーもあったのかも」陸上自衛官・大津陽一郎容疑者の “恵まれた生育環境”、不倫が信じられない「家族仲のよさ」
NEWSポストセブン
悠仁さま(2025年11月日、写真/JMPA)
《初めての離島でのご公務》悠仁さま、デフリンピック観戦で紀子さまと伊豆大島へ 「大丈夫!勝つ!」とオリエンテーリングの選手を手話で応援 
女性セブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(読者提供)
《足立暴走男の母親が涙の謝罪》「医師から運転を止められていた」母が語った“事件の背景\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\"とは
NEWSポストセブン
大谷翔平が次のWBC出場へ 真美子さんの帰国は実現するのか(左・時事通信フォト)
《大谷翔平選手交えたLINEグループでやりとりも》真美子さん、産後対面できていないラガーマン兄は九州に…日本帰国のタイミングは
NEWSポストセブン
高市早苗首相(時事通信フォト)
《日中外交で露呈》安倍元首相にあって高市首相になかったもの…親中派不在で盛り上がる自民党内「支持率はもっと上がる」
NEWSポストセブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(現場写真/読者提供)
【“分厚い黒ジャケット男” の映像入手】「AED持ってきて!」2人死亡・足立暴走男が犯行直前に見せた“奇妙な”行動
NEWSポストセブン
高市早苗首相の「台湾有事」発言以降、日中関係の悪化が止まらない(時事通信フォト)
「現地の中国人たちは冷めて見ている人がほとんど」日中関係に緊張高まるも…日本人駐在員が明かしたリアルな反応
NEWSポストセブン
10月22日、殺人未遂の疑いで東京都練馬区の国家公務員・大津陽一郎容疑者(43)が逮捕された(時事通信フォト/共同通信)
《赤坂ライブハウス刺傷》「2~3日帰らないときもあったみたいだけど…」家族思いの妻子もち自衛官がなぜ”待ち伏せ犯行”…、親族が語る容疑者の人物像とは
NEWSポストセブン