優勝年に活躍できなかったエースも、翌年へ懸ける想いが成績へ繋がることもあるようだ。2002年、松坂大輔(西武)は故障もあり、入団以来初となる1ケタ勝利に終わったが、翌年は16勝を挙げ、防御率2.83で最優秀防御率を獲得。見事にリベンジを果たした。
2008年、前年の5位から日本一まで上り詰めた西武で、エースの涌井秀章は10勝11敗、防御率3.90と本調子とはいえなかった。翌年、チームはBクラスに沈んだが、涌井は16勝で最多勝、そして沢村賞まで獲得する復活ぶりだった。
こうした傾向を踏まえたうえで、今年の楽天はどの投手に期待できるのか。前出・スポーツライターが語る。
「注目すべきは、永井怜でしょう。かつて2年連続2ケタ勝利を挙げた永井も、ここ数年は不振。昨年は2勝止まりで、日本シリーズでの登板もなかった。逆にいえば、今年ダメならトレードの危険性だってある。シーズン中に30歳を迎える永井の捲土重来をファンは待っているはずです」
はたして永井が、田中の抜けた楽天の救世主となるか。