「学生相撲でタイトルを獲ると、幕下付け出しの資格を得て優遇されるため、大学時代は同じ学校の仲間でタイトルを譲りあうことが多い。こういった上下関係がプロ入り後も続く。特に一大勢力といわれるのが、遠藤の母校でもある“日大閥”だ」(元幕内力士の1人)
かつて八百長を告白した元・山本山は、こんな証言をしている。
「わざと負けることを八百長というなら日大相撲部時代からあった。日大は学生相撲界では突出して強かったので、大会の個人戦ではベスト8にもなると日大しか残らないことも多い。その中で、タイトルを獲ったことのない人に獲らせるということは多かった」(日大は当時、本誌取材に「そのような事実はない」と回答)
「八百長を持ちかけてきたのは出身大学の先輩だった。もし断わったら、長い土俵人生、何をされるかわからない。迷いましたが、最後は『やります』といってしまった──」
いまのところ遠藤は幕下時代に1番、十両時代に3番の計4番、日大の先輩と対戦しているが、いずれも勝利。新入幕後は、秋場所5日目に2年先輩の常幸龍に完敗するなど、計2番で1勝1敗となっている(豊真将は大学中退のため除外)。
元・山本山も当初はガチンコだったが、角界の“古くからの因習”に巻き込まれたと悔やんでいた。遠藤が例外であるという保証はどこにもない。
※週刊ポスト2014年4月4・11日号