ビジネス

錦織で注目浴びるコーチング 「スター育成」に必要な条件は

 名選手の裏に名コーチあり――。テニスの全米オープンで無類の勝負強さを見せた錦織圭。惜しくも決勝で敗れはしたが、「フィジカル面はもちろん、これまで錦織の弱点でもあったメンタル面を強化したことが準優勝につながった」とテニス関係者は口を揃える。

 錦織に「勝てない相手はいない」と言わせるほど徹底的にメンタル指導を行ったのは、コーチのマイケル・チャン氏。対戦相手の実績やランキングにかかわらず、自分のプレーに絶対の自信と「勝つイメージ」を植え付けたのだ。

 いま、スポーツ界のみならず企業現場においても、幹部や社員教育で個人の能力を最大限に引き出す指導法を取り入れるところが多くなった。よく経済誌などで特集が組まれている「コーチング」である。

 コーチングという言葉だけはすっかり市民権を得た感があるが、具体的にどんな手法なのか。人事ジャーナリストの溝上憲文氏が解説する。

「実際のプロジェクト立案や数値目標に向けた改善策を指南するコンサルティングと違い、コーチングは社員のパーソナルな部分により踏み込んで、ビジネスマンとしての成長を促します。

 あくまで社員の自主性を重んじるので、教えるだけのティーチングとも違います。<自分のどこが問題なのか><その問題をいつまでにどうやって解決するのか>といった“気付き”を与えるのがコーチングの特徴。指導する範囲は、日本人が下手な対人関係、スピーチやプレゼンなどのコミュニケーション術にまで及びます」

 日本では5、6年前より本格的に導入され出したコーチングだが、もともと欧米企業のリーダーシップ開発手法として、主に管理職に行われていた。

 元GE会長のジャック・ウェルチ氏にコーチングを施した経験のあるマーシャル・ゴールドスミス氏は、著書『コーチングの神様が教える「できる人」の法則』の中で、経営者やリーダーが陥りやすい28の「悪癖」を指摘している。いくつか紹介しよう。

・「いや」「しかし」「でも」で話を始める
・否定、もしくは「うまくいくわけないよ、その理由はね」と言う
・きちんと他人を認めない
・人の話を聞かない

 管理職ならずとも「耳が痛い」人は多いだろう。こうしたネガティブ志向を、人事・教育関連のコンサルタントなどと話し合いながら一つずつ解消していくのがコーチングだ。

関連キーワード

トピックス

新恋人A氏と交際していることがわかった安達祐実
《“奇跡の40代”安達祐実に半同棲の新パートナー》離婚から2年、長男と暮らす自宅から愛車でカレを勤務先に送迎…「手をフリフリ」の熱愛生活
NEWSポストセブン
イベントの“ドタキャン”が続いている米倉涼子
「押収されたブツを指さして撮影に応じ…」「ゲッソリと痩せて取り調べに通う日々」米倉涼子に“マトリがガサ入れ”報道、ドタキャン連発「空白の2か月」の真相
NEWSポストセブン
明治、大正、昭和とこの国が大きく様変わりする時代を生きた香淳皇后(写真/共同通信社)
『香淳皇后実録』に見当たらない“皇太子時代の上皇と美智子さまの結婚に反対”に関する記述 「あえて削除したと見えても仕方がない」の指摘、美智子さまに宮内庁が配慮か
週刊ポスト
元従業員が、ガールズバーの”独特ルール”を明かした(左・飲食店紹介サイトより)
《大きい瞳で上目遣い…ガルバ写真入手》「『ブスでなにもできないくせに』と…」“美人ガルバ店員”田野和彩容疑者(21)の“陰湿イジメ”と”オラオラ営業
NEWSポストセブン
「ガールズメッセ2025」の式典に出席された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年10月19日、撮影/JMPA)
《“クッキリ”ドレスの次は…》佳子さま、ボディラインを強調しないワンピも切り替えでスタイルアップ&フェミニンな印象に
NEWSポストセブン
結婚へと大きく前進していることが明らかになった堂本光一
《堂本光一と結婚秒読み》女優・佐藤めぐみが芸能界「完全引退」は二宮和也のケースと酷似…ファンが察知していた“予兆”
NEWSポストセブン
売春防止法違反(管理売春)の疑いで逮捕された池袋のガールズバーに勤める田野和彩容疑者(21)
《GPS持たせ3か月で400人と売春強要》「店ナンバーワンのモテ店員だった」美人マネージャー・田野和彩容疑者と鬼畜店長・鈴木麻央耶容疑者の正体
NEWSポストセブン
日本サッカー協会の影山雅永元技術委員長が飛行機でわいせつな画像を見ていたとして現地で拘束された(共同通信)
「脚を広げた女性の画像など1621枚」機内で児童ポルノ閲覧で有罪判決…日本サッカー協会・影山雅永元技術委員長に現地で「日本人はやっぱロリコンか」の声
NEWSポストセブン
三笠宮家を継ぐことが決まった彬子さま(写真/共同通信社)
三笠宮家の新当主、彬子さまがエッセイで匂わせた母・信子さまとの“距離感” 公の場では顔も合わさず、言葉を交わす場面も目撃されていない母娘関係
週刊ポスト
タンザニアで女子学生が誘拐され焼死体となって見つかった事件が発生した(時事通信フォト)
「身代金目的で女子大生の拷問動画を父親に送りつけて殺害…」タンザニアで“金銭目的”“女性を狙った暴力事件”が頻発《アフリカ諸国の社会問題とは》
NEWSポストセブン
鮮やかなロイヤルブルーのワンピースで登場された佳子さま(写真/共同通信社)
佳子さま、国スポ閉会式での「クッキリ服」 皇室のドレスコードでは、どう位置づけられるのか? 皇室解説者は「ご自身がお考えになって選ばれたと思います」と分析
週刊ポスト
Aさんの左手に彫られたタトゥー。
《10歳女児の身体中に刺青が…》「14歳の女子中学生に彫られた」ある児童養護施設で起きた“子供同士のトラブル” 職員は気づかず2ヶ月放置か
NEWSポストセブン