ビジネス

教師たちの怠慢が「宿題代行業者」の仕事を助けている側面も

 今年の夏休みに話題となった「宿題代行業者」。宿題を代行業者に依頼することの是非をどう考えるか。議論は白熱している。実際に代行業者に依頼したことのある親に聞くと、「休み中も塾で勉強しているのに、単純な計算問題や漢字ドリルに意味を感じない」という声が多かった。

 今、小学生の典型的な夏休みの宿題といえば、算数のドリルや漢字の練習、あるいは主要科目がまとまった『夏休みの友』などの問題集に加え、読書感想文、絵画や自由研究といったものだ。それらは30~40年前から、大きく変わっていない。

 実は、夏休みの宿題は「学習指導要領」などで定められたものではない。文部科学省も東京都教育委員会も「規定はない」という。出す出さないを含め、各学校と教師の裁量に任されていることになる。

 教師にとって自由度が高い夏休みの宿題は、工夫する余地がたくさんあるはずだ。しかし、実際は多くの教師が出来合いの教材に頼り、昔から変わらない宿題を漫然と出し続けている。立命館小学校校長顧問の陰山英男氏はこう指摘する。

「教師が宿題をチェックするのは9月上旬から中旬にかけて。近年、この時期はシルバーウイークができて学習量も増えているため、教師は忙しくなっている。本来なら宿題ができていない子供は学校でやらせるべきですが、教師にそんな時間はない。

 だから教師の本音としては、代行でも何でも宿題が提出されたほうが好都合なのではないでしょうか。『代行を使ったな』と気づいても、咎める教師は少ないでしょう」

 陰山氏は小学校の教員時代、一般のドリルではなく、子供の習熟度などを考えて自らプリントを作成していたという。しかし、そうした教師は多くない。

関連キーワード

関連記事

トピックス

八田容疑者の祖母がNEWSポストセブンの取材に応じた(『大分県別府市大学生死亡ひき逃げ事件早期解決を願う会』公式Xより)
《別府・ひき逃げ殺人》大分県警が八田與一容疑者を「海底ゴミ引き揚げ」 で“徹底捜査”か、漁港関係者が話す”手がかり発見の可能性”「過去に骨が見つかったのは1回」
訃報が報じられた日テレの菅谷大介アナウンサー
「同僚の体調を気にしてシフトを組んでいた…」日テレ・菅谷大介アナが急死、直近で会話した局関係者が語る仲間への優しい”気遣い”
NEWSポストセブン
愛子さま(撮影/JMPA)
愛子さま、母校の学園祭に“秋の休日スタイル”で参加 出店でカリカリチーズ棒を購入、ラップバトルもご観覧 リラックスされたご様子でリフレッシュタイムを満喫 
女性セブン
悠仁さま(撮影/JMPA)
悠仁さま、筑波大学の学園祭を満喫 ご学友と会場を回り、写真撮影の依頼にも快く応対 深い時間までファミレスでおしゃべりに興じ、自転車で颯爽と帰宅 
女性セブン
クマによる被害が相次いでいる(getty images/「クマダス」より)
「胃の内容物の多くは人肉だった」「(遺体に)餌として喰われた痕跡が確認」十和利山熊襲撃事件、人間の味を覚えた“複数”のツキノワグマが起こした惨劇《本州最悪の被害》
NEWSポストセブン
近年ゲッソリと痩せていた様子がパパラッチされていたジャスティン・ビーバー(Guerin Charles/ABACA/共同通信イメージズ)
《その服どこで買ったの?》衝撃チェンジ姿のジャスティン・ビーバー(31)が“眼球バキバキTシャツ”披露でファン困惑 裁判決着の前後で「ヒゲを剃る」発言も
NEWSポストセブン
2025年10月末、秋田県内のJR線路で寝ていた子グマ。この後、轢かれてペシャンコになってしまった(住民撮影)
《線路で子グマがスヤスヤ…数時間後にペシャンコに》県民が語る熊対策で自衛隊派遣の秋田の“実情”「『命がけでとったクリ』を売る女性も」
NEWSポストセブン
名古屋事件
【名古屋主婦殺害】長らく“未解決”として扱われてきた事件の大きな転機となった「丸刈り刑事」の登場 針を通すような緻密な捜査でたどり着いた「ソフトテニス部の名簿」 
女性セブン
雅子さま(2025年10月28日、撮影/JMPA
【天皇陛下とトランプ大統領の会見の裏で…】一部の記者が大統領専用車『ビースト』と自撮り、アメリカ側激怒であわや外交問題 宮内庁と外務省の連携ミスを指摘する声も 
女性セブン
今年の6月に不倫が報じられた錦織圭(AFP時事)
《世界ランキング急落》プロテニス・錦織圭、“下部大会”からの再出発する背景に不倫騒と選手生命の危機
NEWSポストセブン
大谷翔平と真美子さんの胸キュンワンシーンが話題に(共同通信社)
《真美子さんがウインク》大谷翔平が参加した優勝パレード、舞台裏でカメラマンが目撃していた「仲良し夫婦」のキュンキュンやりとり
NEWSポストセブン
兵庫県宝塚市で親族4人がボーガンで殺傷された事件の発生時、現場周辺は騒然とした(共同通信)
「子どもの頃は1人だった…」「嫌いなのは母」クロスボウ家族殺害の野津英滉被告(28)が心理検査で見せた“家族への執着”、被害者の弟に漏らした「悪かった」の言葉
NEWSポストセブン